3.1.2.3 多角度センサーの測定実験
受光素子の数を増やしたもの(写真2・2)に差し替えて行った。また透過光の減衰効果が散乱光に影響する懸念から、油分とSS濃度を30ppmとした。
写真2・2 多角度センサー構造
測定結果を濃度0〜30ppmでの測定変化値を散乱光検出電圧分布図と反射光検出電圧分布図にしてまとめた。
その結果、油分では油分検出電圧差の散乱光1・2がほぼ等しい。
SSでは散乱光2の検出電圧差が散乱光1の検出電圧差より大きい。
以上から、SSと油分では直進光を屈折する角度が異なっているためSSと油分の検出電圧に差がある。また散乱光3・4・5と反射光1〜5については棟出電圧が低レベルであることから、今回は油分とSSの検出電圧差のある散乱光1と散乱光2に焦点を絞り、各々の濃度に対する検出値の傾斜を比較するためにグラフを作成した。
グラフから油分とSSが単独で存在する場合には油分測定時は散乱光1・2の検出電圧がほぼ等しく、SS測定時では差がある。これにより、散乱光検出のために2つの角度に分けて受光素子を設けることによって油分とSSを分離して測定できることが解った。
次に油分とSSを混合し相互干渉の影響を確認するための実験を行った。
3.1.2.4 油分とSSの混合濃度測定
油分濃度が10・20・30PPmの水にSS濃度を0〜30PPmに変化させ、結果をグラフ2・1に、SS濃度が10・20・30ppmの水に油分濃度を0〜30ppmに変化させ、結果をグラフ2・2に其々まとめ更に基準点を合わせグループにして重ね合わせたグラフ2・3と2・4に製作し明確にした。
グラフ2・2と2・4から油分濃度測定時の散乱光1,2が増大する傾斜がほぼ等しい。
グラフ2・1と2・3からSS濃度測定時では散乱光2が散乱光1より傾斜が大きいという特徴が認められた。これから2つの異なる角度から散乱光を捕らえる信号と透過光の信号を加えて3つのデータを用いることで油分とSSの相互に干渉し合ってる部分を補正することで混入物除去効果を高めることが可能となる。
今後の課題は高濃度での油分とSS及び第二酸化鉄の測定である。