7.本荘市
(1) 運営組織
1) 本荘市関係
中核支援職員 (班長) 9人、一般支援職員17人 (式典部を除く) を動員し、競技・会場運営のボランティアや体育指導員の取りまとめ役となった。
2) 本荘市実行委員会
本荘市で開催される競技を共催・支援する目的で、秋田ワールドゲームズ2001本荘市実行委員会を2000年11月に発足させ、共催事業の実施や大会気運の盛り上げを図ることとした。108名が会員となり、会長には柳田弘市長が就任、教育委員会スポーツ課が事務局となった。
予算
・ 本荘市
秋田ワールドゲームズ推進事業
(4,000千円)
主な内訳(消耗品80、食糧費816、会場整備費2,900)
・ 本荘市実行委員会 補助金(900千円)
主な内訳(PRシール・ポスター・看板400、ウェルカムパーティ400)
(2) 実施事業
1) イベント事業
WGマスコットキャラクター“ナミー&ハギー”等 (着ぐるみ・グッズ) を活用し、次のイベントを行った。
・ 2000年12月3日に、「本荘市スポーツ少年大会」を秋田大学ハンドボール部の協力で実施。本荘市には馴染みのないハンドボールをルール解説やミニゲームを通して体験。
・ 2000年大晦日から2001年元旦にかけて、本荘公園を主会場にカウントダウンイベントを実施。参加した市民にWGパンフレットや記念品をプレゼント。
・ 2001年1月8日の「本荘市成人式」ではWGブースを設置し、パンフ配布やビデオ放映を実施。式典前のアトラクションでは“ナミー&ハギー”の着ぐるみを使った抽選会などを行って大いに会場を沸かせた。
2) 交流事業
AOCから招待を受けた市内12の小中学校と1つの養護学校の児童生徒達が、それぞれ応援チームを決め、手作りの手旗やイラスト、記念品などを作成して応援を繰り広げ、また、選手達の試合の空き時間を利用して、記念撮影やプレゼント交換を行った。
3) ウェルカムパーティー
本荘市実行委員会の主催によりウェルカムパーティーを8月22日に開催した。競技団体役員、各チーム代表者、実行委員会関係者ら100人余りが参加して盛大に行われ、本荘市長から歓迎のあいさっと関係者に名産のごてんまりがプレゼントされた。
4) クリーンアップ
2001年7月15日と8月19日、競技会場のほか、搬入道路や隣接する国有林を対象として、本荘市の全面的な支援体制の下に一般市民によるクリーンアップを行った。
8.岩城町
(1) 受け入れ体制
岩城町がライフセービング競技会の開催地を引き受けることを公式に表明したのは、2000年1月31日に開催した町議会全員協議会の席上であった。
まずはじめに、町総務課、情報企画課、教育委員会にあった窓口を教育委員会に一本化した。これにより県推進室との連絡調整がスムーズとなり、初年度は、目標を全町挙げての体制づくりと町内外への競技内容の周知とした。
ライフセービング競技は関東一円では大学生を中心に全日本大会も開催されているが、県内では皆無で、有数の海水浴場がありながらライフセービングという意味もほとんど知られていない現状であったため、小学生を対象としたジュニアライフセーバー講習会と競技種目であるビーチフラッグス大会を開催し、PRに努めた。
(2) 大会準備
開催年は、会場となる「道の駅岩城」を中心とした観光施設職員の研修や大会期間中の選手、役員との交流会の実施、そして会場地の整備を重要課題とした。
また、英会話教室を開催したほか、温泉施設の入浴方法の英語版を作成し、外国の人に温泉を利用してもらうよう準備した。
8月22日に行われた交流会はほとんどの選手、役員が参加し、日本文化として紹介した日舞に大いに興味を示したほか、手作りのミニ国旗が大評判でパーティー終了時には一本も残らなかった。参加者の半分以上が外国人であったが、陽気な中にも節度を持った若者と会話が弾み、非常に有意義なパーティとなった。
会場整備については、漂流物や草木が生い茂り、雑然としていたが、重機による粗造成後、人海戦術で取り組んだ。特に中学生は、全校参加の清掃活動のほか夏休み中の地区活動の事業にも取り入れるなど積極的に参加した。
また、ボランティア清掃には秋田海上保安部の潜水士やサーフィン愛好者が参加し、町民と一緒に猛暑の中ゴミ拾いに汗を流した。会場清掃に参加した延べ人数は300人を超え、ゴミの量は2tダンプ7台分になった。特にビーチフラッグス競技エリアはトラクターで砂を掘り起こし、さらにふるいをかけ小さなゴミを拾い集めた。この地味で大変な作業は、男子ビーチフラッグス銅メダリスト但野秀信選手の「小さなゴミまで丁寧に拾い集めている地元ボランティアのみなさんの姿を見て、心の底から感動しました。この人たちのためにも頑張らなければと思いました」という言葉によって全てが報われた感があった。
(3)まとめ
大会は長い準備期間に比べ、あっという間に終了した。しかし、町が受け継いだものはたくさんある。今年(2001年)も日本ライフセービング協会の協力によりジュニア講習会を開催した。講習会は今後も続けていく予定である。近い将来、道川海水浴場にここで育ったライフセーバーが活動している光景を夢見ている。
秋田ワールドゲームズ振興会の活動
1.組織体制
寄付金について民間募金を促進するために、1999年7月、秋田ワールドゲームズ振興会を設立した。48人の役員で構成され、会長には佐藤興吾さん(秋田県電子工業振興協議会名誉会長)が就任し、募金活動の統括を行った。
専従職員2人体制で事務局運営にあたった。
2.募金活動
民間募金は、当初から積極的に募金活動を展開した。前期は、招致委員会および準備委員会当時の初期の活動である。発起人が関係企業を中心に募金活動を展開して資金を集め、招致委員会および準備委員会を軌道に乗せ、後期体制の基礎を築いた。
後期は、組織委員会や振興会の設立後の本格的な募金活動の時期である。振興会は、2000年2月に決定された目標額の達成を図るべく、AOCと連携して、その獲得に全力を挙げた。そのために、年会費・寄付金の選択、3年分割納入制、税法上の取り扱いなど募金方法に工夫をこらした。
3.活動体制
活動体制としては、振興会および組織委員会の役員に、担当団体・企業および目標額を付与し、具体的な活動を依頼した。さらに2000年4月、組織委員会に募金活動担当者が配属となり、体制強化が図られた。募金担当者は、リストアップした企業・団体を訪問し、ワールドゲームズのPRと募金活動への理解を求めた。
4.まとめ
AOCとAOC役員、そして秋田ワールドゲームズ振興会とが相互に連携して、寄付金集めに精力的に活動した結果、景気の下降状況下にあったにも拘わらず、最終的には、565の企業・団体・個人から目標額を大きく上回る寄付金が寄せられ、大会成功に大きく貢献した。