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6.標章等管理
 公式マーク・ロゴ等の使用に関する取扱は、「(財)秋田ワールドゲームズ2001組織委員会所有標章等の使用に関する要綱」で規定され、報道機関やスポンサー、駅・空港等の極めて公共性が高い場所での使用等、一部の例外を除き、基本的には非営利目的に使用されるものに対し使用許可を与えた。
 主な使用内容としては、官公庁やスポーツイベント等のポスターやパンフレット、公共工事の工事用看板、ショッピングバッグ等が挙げられる。
 また、公式スポンサーは、スポンサーランクがシルバースポンサー以上にマークの使用権が認められ、テレビや新聞等の広告や各種販促物(チラシ、ポスター、パンフレット、のぼり)、商品のパッケージ等に使用された。
標章等使用許可申請数一覧表
(件数)
年 度 申請数 許 可 取 下
1999 20 19 1
2000 84 83 1
2001 28 28 0
※スポンサーは、申請不要のため上記一覧表には含まれない。
7.入場券
(1) 券種
 入場券の種類は、各競技ごとの一日券と競技パスポートの2種類とした。通し券、パック券など、構想段階では候補に挙がっていた他の券種は、会場の収容人数等の問題から見送られた。
1) 一日券
 競技ごと、日ごとの券。ダンススポーツS席以外は全てエリア内自由席とした。各会場とも再入場が可能であったため、好きな時間を選んで楽しめるものとなった。
2) 競技パスポート
 開会式、ビリヤード及びボウリングを除く全競技がA席で観戦可能な券。大会終了後も記念に残るようにと、秋田県の伝統工芸品の一つである「川連塗」を用い、ワールドゲームズのロゴをベースに作成した。限定100枚で販売したが、2001年2月1日の予約開始後、2時間で完売という人気ぶりであった。
 
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(2) 入場料金
1) 料金
 入場料金については、各種国際大会の料金体系を参考にしながら、日本に馴染みのない競技の普及と誰もが観戦できる機会の提供を念頭に入れ、全体的に低く設定した。料金は別表のとおりである。
(未就学児は無料)。
 また、車椅子席を全会場で設定し、料金は介助1人の料金を含むものとした。
2) 割引制度
 さらに多くの観客を誘致するため、次の割引制度を設けた。
[1] 前売割引…当日券に対して、開会式は1,000円引き、各競技は500円〜100円引きとした。
[2] 小人割引…小中学生について、大人料金の半額とした。
[3] 団体割引…法人、任意団体、グループを問わず、20名以上の団体については、10パーセント引きとした。
(3) 販売システム
1) 入場券管理
 入場券は競技ごとの一日券であるため、その種類は約500種にも及ぶこととなった。これら全てをあらかじめ印刷し多くの販売店に委託するのは極めて困難であるため、オンラインチケットシステムを採用した。そして、入場券管理業務を各種大規模イベントの入場券管理及び販売に精通する、ぴあ株式会社 (以下「受託者」という。) に委託した。
2) 前売券販売
[1] 販売期間
 開会式入場券は大会1年前の2000年8月16日から開会式前日の2001年8月15日まで、競技入場券は大会半年前の2001年2月15日から各競技開催初日の前日まで販売した。競技パスポートは2001年2月1日に予約受付開始した。
[2] 販売方法
 一般販売は、受託者及び受託者が販売委託契約を結んだコンビニエンスストア、旅行会社などの販売店 (以下「リテーラー」という。) での店頭販売、電話予約及びインターネット予約で行った。受託者及びリテーラーの店舗数は合わせて全国約2万店舗におよび、全都道府県で本大会の入場券を購入できるという広範囲かつ大規模な販売網を形成した。
 また、競技開催地の実行委員会のうち、本荘市、天王町、六郷町では開催競技の入場券の販売を行った。
 一方、団体入場券、車椅子席入場券及び競技パスポートは、後述する「チケット管理センター」で電話予約受付並びに販売を行った。
[3] 海外販売
 海外における入場券の販売については、受託者が構築したインターネットでの販売方法 (組織委員会のHPから受託者の販売システムにアクセスするもの) を採用し、2001年6月1日から7月31日までの間販売した。
[4] 販売促進
 チケット販売告知ポスター (3種、6千枚)・チラシ (5種、78万枚) を作成、販売店や公的機関、観光施設などに依頼したほか、JR東日本管内主要駅約300ヵ所にもポスターを掲出した。また、テレビ・ラジオでの広告、大会開催100日前、50日前といった節目に合わせ、新聞での広告を行った。
 さらに、オフィシャルチケットサプライヤーである、受託者の出版物 (「Weeklyぴあ」、「TVぴあ」など) への情報掲載により、首都圏を中心とした告知を行った。
[5] 日程変更への対応
 前売券発売後、競技開始時間や開催種目などの変更が数回あった。チラシ、新聞広告、HPなどで告知を行ったが、県外の購入者に対する方法がHPのみであったため、情報が行き渡らず、一部苦情が寄せられた。また、開始時間の変更 (繰り下げ) が大幅な競技については、当日職員が会場に待機し、変更を知らずに来場した観客の対応に当たった。
3) 当日券販売
 本大会では、全競技において必ず当日券を用意する (席種は限定される場合あり) という方針で票券管理を行っていた。期間中は、全ての会場において当日券販売所を設置し、支援職員及びボランティアによる3〜4人体制で販売を行った。
4) 販売実績
 販売目標は、開会式が約19百万円 (約5,000枚)、競技 (一日券) が約94百万円 (約70,000枚)、パスポートが2百万円 (100枚) の合計約115百万円 (約75,000枚) であった。これに対し実績は、開会式が約39百万円 (約8,000枚)、競技が約92百万円 (約67,000枚)、パスポート2百万円 (100枚) を合わせて、目標を上回る合計約133百万円 (約75,000枚) となった。
 前売販売については、大会1か月ほど前から急速な伸びを見せ、いくつかの競技で前売分が販売終了となった。
 一方、当日券販売は期間中の好天もあり初日から好調であった。当日券の購入希望に応えるため、場内の空席状況を勘案しながら当日券を追加して販売した。結果、総販売枚数のうち46%、総販売金額のうち30%が当日券によるものとなった。秋田県人の県民性から、ある程度の当日券販売見込みは立てていたものの、ここまで当日券の割合が高いとは予想していなかった。
 また、入場券販売について、見込みと現実が大きくかけ離れたことがもう一点あった。それは、見込み段階では、本大会の競技の中でも馴染みのある競技イコール人気競技と考え、売上枚数・金額とも期待していたが、実際はあまり伸びず、逆に馴染みのない競技の販売が好調だったことである。これには、馴染みのない競技の料金を低く設定し、人気競技と思われるものはある程度高く設定したことと、期間中のテレビ放映により県民の競技に対する認識が変化したことが作用しているものと思われる。
5) 払い戻し
 期間中、台風11号の影響により2競技 (キャスティング・水上スキー) が延期となったため、そのうち一部競技日について払い戻しを行った。払い戻し場所は各販売店、期間は1週間とした。なお、団体チケット購入者に対してはチケット管理センターで払い戻しを行った。
(4) チケット管理センター
1) 設置目的等
 チケット及びそれに付随する各種問い合わせへの対応の一本化と一般販売店では対応できない団体チケットほかの予約・販売業務等を行うため、2000年8月1日から2001年8月31日まで、組織委員会内に設置した。
2) 体制
 事務局職員2人 (2001年4月からは専属の臨時職員1人を増員。) 及び入場券管理委託先の派遣職員1人。
3) 営業時間
 営業時間 (問い合わせ電話を開放している時間) は午前9時から午後5時までとした。ただし、大会1週間前からは午前8時30分から午後7時まで、大会期間中は午後8時まで延長した。期間中の営業開始時間は最も早く開始される競技に合わせた。
4) コール件数等
 チケット管理センターへの問い合わせ件数 (総数) は5,629件であった。開設当初は利用者の数はそれほど多くなかったが、前売入場券の販売の伸びと同様、大会1ヵ月前から急激に増加した。特に期間中11日間の件数は2,832件と全体の5割を占めた。
 また、内容としては、チケットの購入場所、料金、競技スケジュール、競技会場についてが多かった。期間中は当日券の有無に関するものが主であった。
5) 大会期間中の業務
 期間中は、電話での問い合わせ対応のほかに、当日券販売関連業務を担当した。主な内容は次のとおりである。
【連絡体制】
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 上記業務はあらかじめ想定していたものであるが、実際に大会が始まってみると、想像以上に時間的・業務量的にきついものとなった。その要因としては、次のことが挙げられる。
・ 最高で1日11競技が行われたため、その当日券の枚数・券種が膨大であった。
・ 各競技開催初日の前日まで前売販売を行っていたため、当日券の枚数確定が早い時間帯にできず、発券等の作業が時間的にずれ込んだ。
・ 当初の見込みよりも当日券の需要が多かったため、当日券や釣り銭の追加要請が相次ぎ、発券・運搬の業務が増えた。
・ 各競技会場の総務班長が当日券受領と売上金引き継ぎに管理センターへ来所する方法をとっていたが、秋田市以外で行われる競技に対応するため早朝からの待機が必要であった。また、売上金回収は全て終了するのが深夜だった。
 しかしながら、管理センター付け職員のみならず、マーケティング部の他の職員や、当日券販売業務の担当者などとの協力体制のもと、大きなトラブルもなく、期間を終了することができた。








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