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表彰式
 本大会では153回の表彰式が実施された。25競技が競技会場で表彰式を実施し、6競技がワールドゲームズプラザで表彰式を実施した。(オリエンテーリング競技は、1日目の表彰式を競技会場で、2日目の表彰式をワールドゲームズプラザで行った。)
 また、優勝選手の国・地域の歌演奏及び入賞選手の国・地域の旗掲揚を実施するため、2000年に行ったプレ大会(パワーリフティング世界選手権)での表彰式実務の実施及び他大会の視察等を行いながら計画を立案した。
 
1.実施組織
 表彰は、大会本部の表彰式班と各表彰会場の表彰組織が協力して実施した。
 
(1) 大会本部表彰式スタッフ
 大会本部の表彰式班は30人で構成され本部で業務を行う班長及び班員9人と、各会場に行き表彰の進行にあたる「表彰チーム」(7チーム、計21人)を配置した。
 表彰チームは、大会本部からメダル・物品等表彰式に必要な物品を表彰会場へ運搬するとともに、表彰会場において会場スタッフと協力しながら表彰業務を実施した。
 
(2) 各会場での表彰式スタッフ
 各競技会場及びワールドゲームズプラザでは、表彰式の進行全般について総括する「式典部長(班長)」の他、表彰台等の設営業務、選手・プレゼンターの招集・先導業務などを行うスタッフが選任され、表彰チームとともに式典の実施にあたった。
 プレゼンターへ、メダル、入賞賞品及び花束を届ける表彰アシスタントは、各会場スタッフの他、県内2短大の学生が業務にあたった。
 表彰アシスタントは浴衣・振り袖等を着用したが、その着付けについては、県内の着付け教室及び着付けの技術を持つボランティアに業務を依頼した。
 国・地域の旗掲揚業務については、秋田県ボーイスカウト連盟に業務を依頼した。秋田県ボーイスカウト連盟が対応できない会場では、会場スタッフが掲揚業務を行った。
 
2.式典内容
 各表彰式は、次の次第を基本として実施したが、一部競技では、その競技の特性や競技独自の表彰式スタイルを加味し、細かい部分を変更した次第で実施した。
 
表彰式次第(基本形)
 1) ファンファーレ
 2) 開式通告
 3) 入賞選手(チーム)、プレゼンター入場
 4) 入賞選手、プレゼンター紹介
 5) メダル、入賞賞品、花束授与
 6) 優勝選手の国・地域の歌演奏及び入賞選手の国・地域の旗掲揚
 7) 入賞選手(チーム)、プレゼンター退場
 8) 閉式通告
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(1) ファンファーレ
 表彰式で使用したファンファーレは開会式の式典音楽を担当した石井氏に作曲を依頼した。演奏は陸上自衛隊第9音楽隊及び東北方面音楽隊が行い、事前録音を行った。
 
(2) 表彰アシスタント
 各表彰のアシスタントは、浴衣、振り袖、祭り衣装等を着用し表彰式に花を添えた。
 
(3) 国・地域の歌演奏及び国・地域の旗掲揚
 各表彰式で優勝選手の国・地域の歌演奏及び入賞選手の国・地域の旗掲揚を行った。機材の不調で国歌が流れないというアクシデントが空手競技で1回あった以外は、おおむね順調に実施された。しかし、女子綱引き競技で、バスク地方 (スペイン) の選手が、スペインの国旗国歌を拒否し、表彰台から降りるという事件が発生した。
 
3.物品等の準備
(1) 表彰台
 表彰台は、大きさの異なる3種類(合計48個)を製作したほか、団体競技のため多数の表彰台が必要な一部会場については、業者に委託し表彰台を設置した。
 
(2) 国・地域の旗及び掲揚施設
 表彰式で使用する旗は、参加77カ国10地域の合計で、349枚準備した。掲揚施設は既存施設を利用したが、既存の設備がない会場では、仮設掲揚設備を設置した。
 
(3) 国・地域の歌音源
 表彰式で使用する国・地域の歌は、市販されている各種音源を入手し、必要に応じて検証を行い、1曲毎にCD−Rに録音して使用した。
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表彰メダル
 公式競技表彰メダル及び公開競技表彰メダルは、可能な限り秋田県内の伝統工芸を用いることとして製作先を選定した。
 その結果、公式競技表彰メダル及びケースは、秋田県漆器工業協同組合、公開競技表彰メダルは角館工芸協同組合、公開競技表彰メダル用ケースは大館曲ワッパ協同組合が製作を担当した。
 
1.公式競技表彰メダル
(1) デザイン
 公式競技表彰メダルは、秋田県稲川町在住の漆芸家沓澤則雄さんのデザインを採用した。
 表面のデザインは、日本の色として海外でも知られている「漆」の色を前面に配した。全体の形は、秋田県の形をモチーフとして円形化しており、金と銀の蒔絵で図案化された竿灯は、秋田の象徴でもある稲穂が実った収穫の状態を表し、選手の努力が実を結んだ瞬間の、まさに収穫の喜びと同じ歓喜を表現した。また、欧米の人々が普段目にしないであろう極東アジアの地図をデザインし、その中の日本、日本の中の秋田で、アジア初のワールドゲームズが行われることを世界に発信するデザインとなった。
 裏面には、秋田の自然を象徴する「世界遺産白神山地」の風景を描き、メダルの表裏があいまって、我が秋田県は、文化と自然が共存したすばらしい地域であることを世界に示すことができるデザインとなった。
 
(2) 規格・授与個数
 公式競技表彰メダルの大きさは、直径8.5センチ、厚さ約8ミリ、重さ約320グラムであり、金銀銅それぞれ267個が授与された。
 
2.公開競技表彰メダル
(1) デザイン
 公開競技表彰メダルの表面は、東京都在住、東京芸術大学教授の宮田亮平さんのデザインを採用した。日本の象徴である桜をシンボルマークの外側に配置し、メダルの下部には伝統工芸の「樺細工」をあしらい、その深い輝きで日本海を表現した。
 中央に輝くシンボルマークは、「世界の国から、輝く太陽がやってくる」のキャッチフレーズのとおり、春には桜が咲き誇り、夏には青い海が輝く秋田の地で、世界のトップ選手が競うワールドゲームズが行われることを表示するとともに、ワールドゲームズそして秋田の光り輝く将来を祈念するデザインである。
 裏面は、公式競技と同じデザインが用いられた。
 
(2) 規格・授与個数
 公開競技表彰メダルの大きさは、直径8センチ、厚さ約9ミリ、重さ約280グラムであり、金銀銅それぞれ80個が授与された。
 
入賞賞品
 入賞の喜びをいつまでも思い出せるよう、3位までの選手に入賞賞品を贈呈することとし、組織委員会で品物の選定を行った結果、「銀線細工入りペーパーウェイト」を採用した。内部に封入された銀線細工が秋田の伝統工芸であり、そのデザインも、秋田を代表する植物である「秋田蕗」を用いた。
 
参加記念品
 選手役員のみならず、スタッフ、式典・イベントの出演者、その他大会の開催に協力いただいたすべての人々に参加記念品を贈呈した。記念品はオリジナルデザインのピンバッジとし、そのデザインは、マスコットキャラクター「ナミー・ハギー」のデザイナーである石川貴教さんに依頼した。








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