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組織づくり支援グループ
組織づくり支援事業
“地域でぬくもりのある支え合いを” 地域たすけあい研修会
 組織づくり支援グループでは、「地域たすけあい研修会」を全国各地で行っています。2001年度は10か所で開催(2001年11月10日現在)。この研修会は開催地の選定からプログラムの検討、当日の運営までさわやかインストラクターが主体となって行っています。地域の状況に応じてこの地域たすけあい研修会の様子はさまざまです。昨年に開催したいくつかの研修会をご紹介しましょう。
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地域たすけあい研修会in富山
 秋とは思えないような暑い富山で、10月20日(土)地域たすけあい研修会は開催されました。参加者は120名前後と、当初の予想をはるかに上回る出席者で研修会はスタートしました。午前の部は県職員による富山県の福祉状況説明に続いて、「震災の中から、神戸市民のとりくみ」と題して、コミュニティ・サポートセンター神戸の中村順子さんが、スライドを交えて熱のこもった講演を行いました。
 昼食をはさんで午後の部に移りましたが、その昼食が圧巻。主催事務局である「さわやか富山」のメンバーによる、心のこもった手作り持ち寄りバイキング(煮物・赤飯・揚げ物・和菓子などなど)というユニークな昼食会となりました。午後は「NPOの新設・運営について」「介護保険制度と市民たすけあい活動について」「地域通貨のとりくみについて」の3つの分科会が持たれました。関心の高いテーマそれぞれに、助言者と参加者の活発な情報・意見交換が行われ、有意義な研修会は終了しました。
地域たすけあい研修会in最上
 木々が紅葉し始めた山形県新庄市で、10月26日(金)地域たすけあい研修会が開催されました。東北インストラクター加藤由紀子さんが、以前講演をしたことのあるこの地で、福祉系NPO団体の少ない最上郡を中心とした周辺町村でたすけあい団体が設立する足がかりになれば、と研修会が企画され、約50名前後の参加者でスタートしました。山形県最上総合支庁福祉課の方から、福祉の取り組みや高齢者状況が説明された後、湯沢あかねの会代表丹すみ子さんより、たすけあい活動の取り組みについて、湯沢弁を交えながら、市民の視点から講演が行われました。
 昼食後、2つのグループに分かれ、東北地方で活躍している住民互助団体・NPO法人の代表が助言者として加わり、参加者と向き合ったアットホームな分科会となりました。年内には新庄市内でサロン会を行うNPO法人が立ち上がる予定でいることが紹介され、「今後も先輩NPOと情報交換を」と代表となる岸さんが発言なさっていました。これからの東北地方での活発なたすけあい団体の交流が期待されます。
(松本 勝蔵)
 
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 最後に、9月8日には、愛知県大口町で地域たすけあい研修会を開催しました。ここの研修会の特徴は、大口町の行政、社会福祉協議会、企業、地域の方々が実行委員会を設置し、それぞれが役割分担を担ったという点にあります。特に行政のNPO活動に対する期待と支援に感銘を受けました。題名も「新しい時代 楽しくチャレンジ」とあります。
 市民活動はまさしく、時代の先駆者であり、その活動は「楽しく」なければ、参加した意味もありません。
(木原 勇)
 
 
地域助け合い普及事業
神奈川区で行った講座 笑いがいっぱい
 地域通貨によるふれあいの現場にはほのぼのとした温かさ、「のんびりさ」や「笑顔」がいっぱいあります。ワークショップも「笑顔」があると、参加者の中に自然にネットワークができてくるものです。
 昨年10月21日に行われた、神奈川県横浜市神奈川区にある反町地域ケアセンターでのワークショップもその一つです。このセンターでは、「肩もみから町おこし」と題して計5回の「エコマネー入門講座」を開いてきています。そして今回が最終回で「エコマネーで活き活き交流」と題しています。「エコマネー」もふれあい切符と同様、地域通貨の一つ、そして地域活性の手法として、このセンターでは11月10日から地域通貨「えこ」を普及させようと準備してきています。
 講座は、熱心な参加者が30名ほど参加。まず、参加者同士の自己紹介を行い、参加者同士が徐々に打ち解けていきます。次に、地域通貨誕生の背景と、なぜ、今これほどまでに話題となるのかについての説明。3つのグループをつくり、一つのテーブルに8人から10人程度として、できるだけ知り合い同士は離れていただいています。そして財団がつくった「ふれあいゲームキット」の中から、「助けられ上手・助け上手体験ゲーム」によるサービスの循環を体験していきます。
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地域助け合い普及事業の担当として各地を訪問。門脇伸也さんと松宮さと美さん
 グループの中には「車での送迎」が30代の男性1人に集中したり、「裁縫」「ケーキづくり」が手元に残ってしまったり、3人が「洗車」のカードを持ち、循環しなかったり、「庭木の手入れはプロでなくていいの?」などの疑問が出てきます。
 次第に参加者の中に「笑顔」が出てくると「私たちは、グループ名を“和”としました」とか「若い人が、マッサージをしてほしいと言い、高齢の方が引き受けています。グループ名は、“年齢逆転グループ”です」と自然にユーモアが生まれます。実際のサービスの循環には、「マッチングするためにコーディネーターや事務所が必要なのでは?」などの質問も出て気安くなります。
 「ふれあいゲームキット」を使用した体験ゲームによって、参加者の中からは「今までお顔を拝見したことはあるが、どんな方だか知りませんでした」「こんな方が身近にいたんですね」との声があがり、別れ際に「楽しかったわ」「またお会いしましようね」と、人と人のネットワークが出来上がっていきます。
 地域助け合い普及事業の目的は、地域の中に「困ったときはお互いさま」といった「温かい関係」を広めることにあります。ワークショップや地域通貨は、そのきっかけづくりとして、有効な手段だと考えます。「ふれあい・支え合いの社会」をより良く理解していただくためにも、まず、ワークショップに参加してみませんか? 最後に、地域通貨「えこ」の今後が楽しみです。
(門脇 伸也)








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