グループホーム推進グループ
住み慣れた地域で最後まで…
グループホーム案内書 改訂に向けて
高齢期の経済状況は改善されているが、その半面、高齢者が感じている生活に関する最大の不安は、自分や配偶者が病気や介護が必要になつたときのことです。そんなことを考えながら、自分の人生における最終の生活の場所や状況がどんな形であったら良いのか、思いめぐらしています。
誰でも、60歳を過ぎる頃ともなると、ふと、そんなことを考える瞬間があるのではないでしょうか。
よくいわれるように、住み慣れた地域で、家族と一緒に住み続けていきたい!一昔前であったら、ごく当たり前のそんな願いが当たり前でなくなってしまった昨今なのです。
少子化・核家族化、女性の社会進出の流れは、かつて日本の社会の含み資産といわれた家族関係(親子関係・「家」)を大きく変えようとしています。肉親の情愛は、もちろん、時代を超えて変わらないものですが、成人した子どもたちに依存から目立への成長を促している親たち自身が高齢期になって、子どもたちからの自立を強く自覚し始めているのではないでしょうか。
親は成人した子どもたち,(主として長男と家族)と同居し、家と土地が「家」の共有財産として子どもたちに受け継がれていくのが当然であった時代は、今、変わろうとしています。子どもたちが巣立ってしまった家(空になった鳥の巣)に夫婦・単身の親たちが取り残されているような異常さを清算し、高齢者自らが家を財産として有効に活用しながら、新しい住まいの住み手として相手探しを始めてみる、そんな勇気を持ちたいものです。
肉親との交流を密にしながらも、自分の生活の場は気の合う仲間と暮らす共生の住まいである、そんな高齢者の実例を、今年度全面改訂予定のグループホーム案内書でご紹介したいと思っています。
(神谷 和夫)