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グループホーム推進グループ
高齢化の進む住宅団地に「ふれあい型」グループホームを
 今、私の住んでいる首都圏近郊の戸建て住宅団地は、造成されてから30数年経過して、改築・新築が目立ってきている。造成当時、30〜40歳代だった居住者は、現在ではほとんどが高齢者の仲間入りをしており、成人し結婚した子世帯は、大半が同居せず、団地を離れている。その結果、夫婦のみの高齢者世帯が多数を占める、異常に高齢化率の高い住宅団地となっていた。
 ところが、最近、建物の老朽化による改築・新築を契機として、子世帯が住宅団地に戻ってくるケースが散見するようになった。ただし、両親と子世帯同居の二世帯住宅は少なく、片親と同居する、あるいは両親が近くのマンションに移って子世帯のみ入居するケースが大半である。
 このまま住宅団地内の改築・新築が当分の間続くとするならば、改築・新築を考えている隣り合った高齢者世帯が中心となって住宅団地内の単身高齢者に呼びかけ、共生のホーム即ち「ふれあい型」グループホームを計画してみたらよいと思う。
 このような状況は全国の住宅団地に共通して見られるものであり、肉親の情愛を大切にしながらも、子世帯との同居を絶対とは考えない高齢者に対し、共生の住まいづくりの選択肢の一つとして提案してみたい。
(神谷 和夫)








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