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社会参加システム推進グループ
お年寄りに手紙を書く子どもを増やしたい
 この度、手引書「おじいちゃんおばあちゃん元気かな…。」が完成しました。この手引書が多くの学校の参考になり、手紙による心の交流が子どもたちの社会貢献教育の一つとして総合的な学習の時間などに取り入れられることを切望し、また、お手伝いしていきたいと思います。
手紙は心の交流です
 当グループでは、九州女子高校で、橋下京子先生の指導のもと10年にわたって老人福祉施設の方々と1対1の文通をした生徒たちが、豊かな心に育っていることにヒントを得て、小中学生とお年寄りとの「手紙による心の交流」を推し進めたいと考えました。
 そこでまず、実際にお年寄りと手紙交流をしている学校のうち継続している顕著な学校を訪問して、具体的な方法、留意点、子どもたちの変容などを取材しました。また東京都内や干葉県など数校に手紙交流の実践を働きかけ、学区内に住む方との交流や他県、他の地域の方々との交流などを提案し、実践してもらいました。これらをもとに、お陰さまでこの手引書が完成しました。
手紙が取り持つ出会いとふれあい
 この手引書「おじいちゃんおばあちゃん元気かな…。」の表紙は、相手を思い浮かべながら手紙を書く女の子をやさしい色合いでデザインしました。ぜひ、先生方にも手にとってみていただければと思います。
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 手紙の交流に参加したどの子どもたちも、次第にお年寄りの立場になって気持ちを推し測り、いたわりややさしい気持ちが育ってきています。それは、子どもたちの短い手紙の中や感想文の中に、また書いている子どもの表情や様子から感じられるようになったとのことです。また、地域のお年寄りを学校の行事などに招待したり、手紙を持参したり、訪問することで、出会いやふれあいにもつながっています。手紙交流をされているお年寄りは、返事や電話で、「うれしくて涙が出ます」「繰り返し読んでいます」「孫ができたようです」など、生活のはりにつながっている方も多いようです。
 このような手紙交流は、学校の教育課程にきちんと位置付けすることはもちろんですが、社会福祉協議会、民生・児童委員、PTAなど多くの方々の協力が欠かせません。
 手紙の交流のきっかけづくりに、サントリー(株)、タキイ種苗(株)、渋谷間税会さんからご寄贈頂いた花苗や花の種を使わせていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
お年寄りに手紙を書く子どもが増えることを願って…。
(吉田 洋三)








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