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近隣助け合いのヒント 「助けて」と言えてますか? 4
近隣助け合いを育む愛すべき人々
あなたはどのタイプ?
(さわやか福祉財団 地域助け合い普及事業リーダー)石井 利枝
 
 近隣助け合いを育む人というと、皆さんは最初にどんな人が思い浮かびますか?
 やっぱり、よく世話を焼いてくれるおばさんといったところでしょうか。よく気がついて、ついつい世話を焼いてしまう、そのおばさんは近隣助け合いを…と思って世話を焼いているのでしょうか。多分そうではないでしょうね。
 このような助け上手さんには、世話焼きさんタイプと見込まれ屋さんタイプの二つがあります。世話焼きさんタイプは根っから人が好きな人で、自分のことより人のほうが気になり、ほおっておけない人です。一方、見込まれ屋さんは当事者から「あなたに助けてもらいたいと」見込まれてしまい、何でそうなのかわからないまま、気がついたら親身になって世話を焼いていたというタイプの人です。どっちのタイプの人も近隣の助け合いをしようと意識的に仕掛けているわけではなく、ついついといった感じのほうが当たっているといえます。
 ある世話焼きさんは「自分の性格は異常なのかもしれない」と人知れず悩んでいた時期もあったとか…。
 でも、地域に暮らす人々の中には様々な人がいて、世話焼きも大切な役割の一つだと気づいたら気が楽になって、また世話焼きに励んだという方がいます。実は世話焼きさんにもいろいろなタイプがあります。
お誘い屋さん
ふれあいの場や活動に引っ込み思案な人を誘い出す人
連絡屋さん
何か困っている人がいると、その困りごとの解決のお手伝いができる機関などに情報を伝える人
口利き屋さん
困っている人にその解決ができると思われる関係機関を紹介する人
つなげ屋さん
困っている人に必要な社会資源をつなげる人
受け入れ屋さん
人間関係が苦手な人やあまり周りから相手にされないような人を自然体で受け入れている人
こじあけ屋さん
閉じこもりがちな人の家に押しかけていって、心と家の扉を開かせてしまう人
など、近隣を意識せずに自分の性格や性分と思って行っている愛すべき人々です。
 このように地域というのはいろいろな性格、いろいろな考えや価値観を持った人たちが、生活をする中でつくられているといえます。
 今日も何気ない日常の中、皆さんの暮らす地域では、いろいろな人たちによって近隣模様が織り成されているのではないでしょうか。そんな目線で見てみると、ちょっと苦手と思っていた人が実は世話焼きさんの仲間だったことに気がついて、何となく憎めないような気になってくることもあるかもしれませんね。さあ、あなただったらどのタイプに助けてと言えますか?そして、そんなあなたはどのタイプですか?








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