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 このような転換期には会員間の共通認識が重要だが、同会の場合、設立当初より隔月で発行してきた会報誌「ケア・ハンズだより」が、会の理念や方向性を明確にする上で大きな役割を果たした。また、発足時のメンバーでもあった副代表の倉持さんが常に陰になって支えてくれたおかげでリーダーシップが発揮しやすくなり、会としてのまとまりもよくなった。そうしたことが今日の姿につながった要因なのではと、中村さんは振り返る。
 「倉持は昨年体調を崩したこともあって現在は会を離れていますが、こうした心から信頼できる仲間を持てたことはとても幸せでした。ですから、せっかくの出会いを無駄にしないためにも、今後はこの熟年期の“青春“に苦労を分かち合った仲間たちが高齢になったときに、無理なくかかわれるような活動も展開できたらと思っているんですよ」
 たとえば、同会では一昨年から子育て支援活動にも積極的に乗り出しているが、介護の発想を逆転して、高齢者が人生の先輩としてお料理や子育てのことなどを教えながら、若い家族を応援する。そんなかかわり方があってもいいし、サークル的な活動もできないものかと検討しているともいう。
 「まだ、漠然としてはいるんですけどね。ただいずれにしても、行政や企業などとも連携をしながら新しい発想を模索し、「ケア・ハンズ」らしい、心のふれあいを大切にしたかかわりができれば、それが一番。“努力はしても無理はしない“をモットーに、これからも楽しみながら活動を続けていきたいですね」
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5周年記念パーティーにて
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高齢者疑似体験
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利用者宅。寝たきりで7年間援助した方








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