高齢になっても無理なくかかわれる活動も模索していきたい
地域に根付いた活動を続けながら、着実にその援助の裾野を広げてきた「ケア・ハンズ」。だが草の根団体の多くがそうであったように、公的介護保険制度の開始に際して、大きな転機を迎えた。
「介護保険事業に参入するか否かについては会員間で何度も話し合いを持ちましたが、“できるときにできる範囲で参加する。困っている人の生活をすべて援助する“という設立理念と相反すること。また、もしも参入するなら企業にはできないようなきめ細かい事業を行いたいとも思いましたが、それを行うには常に採算性を考慮しなければならず、理念と離れてしまう危惧もあると思い、あえて介護保険の枠外サービスで活動していくという方針を固めました」
その選択をすれば、職業としてヘルパーを望む人が増えて協力者の確保が難しくなること。また利用者の減少や、保険では対応できない困難な依頼や緊急性のある依頼などが増えるなど、団体運営にとって厳しい状況が訪れることが予想されたし、事実その通りの状況に陥った。そのためこのままでは団体の継続が困難になると、2000年5月にはNPO法人格の取得に向けて踏み出した。
北浦和公園でいこいのひととき
“外に出ようよ!”の活動で利用者と協力会員で川口市グリーンセンターへ
「任意団体のままでは、社会的な信用と団体としての責任が果たせず、また新たなる事業展開も望めないとの危機感が募りました。ですから初心を貫きながら、団体存続の意義を見いだすために、法人となる責任とリスクはあるものの、あえて挑戦し、ステップアップを願ったんです」
その結果、運営面では市から介護保険外の福祉サービスである生活援助員の委託事業を受注。これによって、大きな収入源を得ることができたとのこと。また、会員の意識にも変化が現れたという。
「従来の利用者は介護保険のことをよく調べ、当会の援助内容と介護保険の違いをきちんと理解して、選択をしてくれました。一方、事務局スタッフや協力者も、自分もケア・ハンズの運営を支える一人としての責任感が芽生えたように思います」
1995年 5月 |
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「ケア・ハンズ」設立 |
1996年 1月 |
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新事務所オープン |
8月 |
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高齢者疑似依験セットによる啓発活動を開始 |
1997年10月 |
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公園散策及び昼食会などを催す“外に出ようよ!“事業開始 |
1999年 6月 |
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事務所移転。2DKと広くなる |
9月 |
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会員研修旅行の実施 |
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WACの子育て支援事業に参加 |
2000年 4月 |
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介護保険の対象外の、さいたま市(旧浦和市)の福祉サービス・生活援助員の委託を受ける |
9月 |
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NPO法人格を取得 |
11月 |
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設立5周年記念パーティーを開催 |
会員のために開いた学習会風景