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管理職へのメツセージ
 校内組織の充実も学校の今目的な課題である。第4分科会では、校長、教頭、指導主事といった管理層へのメッセージとして、学校全体で取り組んでいる事例が紹介された。高齢者交流教室を校内に設置して、福祉教育を学校経営の中に位置づけている事例、地域との連携による活動を企画する専門の委員会を校内組織に組み入れ、全校一斉に取り組む日を設定している事例の2つ。発表者は現役の校長先生、教頭先生である。
 すべての管理職が柔軟な考え方と勇気を持って、一人ひとりの子どもや教師の発想を生かした活動を支援していくことが、学校開放と地域参加を推進する大きな力となる。
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(左)地域と様々な交流を行っている東京都小平市立小平第2小学校の山下敏夫校長による事例発表。校長の役割は今後ますます重要になるはずだ(第4分科会)
(右)第3分科会のテーマは「地域の教育力を生かす授業づくり」。会場から発表者・講師に質問も飛ぶ。
全体会「地域の教育力に学ぶ」
地域の教育力が育む子どもの心
 午後の全体会I部では、地域のNPOと学校との融合による実践が紹介された。
 「地域の小学校の先生から、何か子どもにできるボランティア活動はないかとの相談を受けて、出前ミニデイの活動として、学校で喫茶店をやってもらおうと提案。ポイントはお年寄りと肌が触れ合う企画を入れることです」と語る「かたくりの会」代表の佐藤敬子さん。初めての時には壁の花になっていた子どもたちも、肩もみやあや取りなどを取り入れ肌と肌とを触れ合わせることを通して、自然に交流できるようになっていったという。
 
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参加者を前に、地域での実践活動を事例発表するNPO法人代表の2人(全体会I)。
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参加者から寄せられた実践資料が並ぶインフォメーションコーナー。貴重な資料をお寄せくださった皆様ありがとうございました
 
 もう一人の「はっぴぃわん」代表・久保田久代さんも、「近隣の中学校からボランティアについての講演依頼が来たのが、昨年7月。その年の夏休みには、中学生ボランティアの申し込みが殺到しました。8月の祭りの準備や当日のバザー、ゲームの出店など本当によく頑張ってくれました」と楽しげに話す。
 これからは学校が地域のNPOと協力して、お年寄りにとっても子どもたちにとっても生きる希望につながるようなふれあいの場をつくっていくことが、財団が社会貢献教育を推進する大きなねらいの一つ。
「どうやって協力団体を探せばよいのか」「謝礼はどうするのか」等の質問に、「良い団体と巡り会うには、お互いが情報発信を続けていくこと」「謝礼金は全く考えなくてよい」など、実践者ならではの答えが返ってきた。
 各地の草の根団体に、学校から頼まれなくても「勝手連をつくって学校へ行こう」というほどの意気込みをもっていただき、地域の教育力の活用を強力に推進していきたいものである。








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