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ふれあいから助け合いへ日常の生活支援にも取り組む
 そして活動開始3年めに当たる今年度は、活動の定着を第一にして、前年度の事業の継続を中心に計画。さらに「ふれあいから助け合いへ」の第二ステップに進むべく、日常生活の支援にも取り組むことにしたという。
 「これまでの活動で、どこにどのような高齢者がおられるのかわかってきましたし、顔見知りも少しずつですが増えてきたので、“もしお困りでしたらお手伝いさせてください”と声をかけられる雰囲気が少しずつ醸し出されてきたもんですから」
 そこで民生委員とも話し合い、高齢者の一人暮らしや夫婦世帯では今、どんなことをどう手伝ってほしいのかについて訪問聞き取り調査を実施。
 「そうしたら、もっとも身近な助け合いのヒントとして「さあ、言おう」にも掲載されていたとおり、やっぱりゴミ出しだったんです(2001年5月号・「助けて」と言えますか?)。この地域では古新聞や雑誌を2か月に一度、町内10か所のゴミ集積所に出すことになっているんですが、ゴミ集積所までは遠くて自力では持っていけないと。ある家庭では物置に1年分近くの古新聞が山積みになっていたため、収集日に男性ボランティア2人でさっそく運び出したんですが、たまたま訪ねて来られた娘さんからは、涙ぐんでお礼を言われましてね。ああ、これで間違いなかったんだと確信することができました」
 高齢者は他人には下手に家の中には入り込んでほしくないと思いつつも、困りごとがあるのもまた事実。だから希望を確認し、そこから手助けしていけばいずれは気軽に手助けできる態勢づくりができるのでは、と来田さんは期待する。
 「そうすれば年を取っても、体の具合が悪くなっても、住み慣れた街で近所の人に見守られながら人生を全うできるようにもなる。まだまだ道遠しの感もありますが、ボランティアが手を組んで進めば、その願いも叶うはず。そのためにも〃小倉東は一つの家族”をスローガンに、福祉活動をさらに充実させていきたいと考えています」
 この7月には世代間交流を目的に、そうめん流しのイベントも実施。男性ボランティアが会場をつくり、女性ボランティアが食事をつくるという役割分担で参加者を募ったところ、なんと100名以上の老若男女が集まったという。
 「楽しくなくちゃ、ボランティアではない」をモットーとする同会のユニークな取り組みが、隣人に無関心だったこの街の人たちの意識を、少しずつしかし着実に変え始めているようだ。
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“ホームドクター”藤崎先生の話に真剣に耳に傾ける。
「健康で暮らすための学習会」
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大好評の手作りカレンダー。
写真は来田さん
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“そうめん流し”で世代間交流








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