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われら地域市民
社会と共に歩み、社会から学ぶ
味の素株式会社
 味の素の創立記念日は6月17日である。同社は昨年、この日を挟んだ前後2週間を「AJINOMOTO CITIZENSHIP WEEK」(アジノモトシチズンシップウィーク)と決めた。従業員が社会活動に参加するよう奨励するキャンペーン期間だ。個人的なボランティア活動を奨励することはもちろん、情報が欲しい人のために体験ボランティアの紹介、社会貢献活動に関する講演会、チャリティーなどを国内事業所、各地域で行っている。
 「創立記念日は、社員同士のゴルフコンペが割と多いですね。そのコンペをチャリティーゴルフにして社会貢献活動に少しでも寄付をしてみませんか、と呼びかけました。年1回ぐらい自分の身体を動かして社会のために尽くす。ボランティアの原点だと思います」と語るのは広報部社会貢献担当部長の田中雅幸さん。彼の思いが冒頭のキャンペーン誕生につながり現実化した。
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子どもの体重を正確に量るために贈られたはかり
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保健婦による住民への栄養教育
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田中雅幸さん
 キャンペーンの推進役は全国の支社、工場、研究所から選ばれた12人の「社会貢献担当基幹職」の皆さん。田中さんは各地域の事情や従業員の自主性を重んじつつ、メンバーに次のようなお願いをした。
(1)各地域にある社会福祉協議会のボランティアセンターを必ず訪問して情報をもらってきてください。
(2)ボランティア情報は事業所の掲示板に貼り出してください。
(3)その情報をもとに自分たちに何ができるかを考え、少なくとも年に1回キャンペーン期間の週には何か行動してください。
 今年6月の準備は今着々と進められている。3月には各事業所から何をやるかという企画の報告があり実施を待つばかりだ。実施結果は社内報で全社に知らされる。「今年は第2回目、参加者も増えさらに充実したものになるでしょう」と田中さんは期待に胸を躍らせている。
 海外での社会貢献活動も活発だ。同社の主力商品〈味の素〉は、東南アジア、南米を中心に世界の人々に愛用されていることと相まって、グローバルな視点からの特色あるプログラムが用意されている。フィリピン、インドネシア、ペルーなどで、「食・栄養・保健分野における国際協力」の推進をテーマとしてNGOや各国の政府機関、関係団体などとの連携により現地の生活向上をバックアップしている。「海外での活動は、特に質の高いNGOとの連携がポイントになりますね」と田中さん。そのため「味の素「食と健康」国際協力ネットワーク」というアドバイザー組織からNGOの推薦を受けるなど援助を得ている。創立90周年(1999年)を機に社会貢献活動の拡充を宣言した味の素、「社会とともに歩み、社会から学ぶ」ことをスローガンに、グローバルな視野に立った活動を目指す。
(取材・文/三上 彬)








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