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ケアマネジャーの有資格者は20万人
 ケアマネジャーは介護保険割度の中核をなす専門職で、1998年度から認定されるようになった。仕事の内容は、利用者である高齢者やその家族からの相談に応じて、その人の状況を調査分析し、利用者に合わせたケアプランを策定する。さらに、ケアプランに沿って適切なサービスが提供されるよう、市町村や居宅介護サービス事業者、介護保険施設などと連絡、調整を行う。
 ケアマネジャーになるには、医師、歯科医師、薬剤師、保健婦、看護婦、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士など保健・医療・福祉サービス等に従事しており、一定の実務経験があり、試験に合格しなければならない。合格後に実務研修がある。 試験は年1回実施されており、合格者は98年度が9万1269人、99年度が6万8081人、2000年度が4万3854人で、うち現在までの有資格者は20万4008人。最も多いのが看護婦で、次いで介護福祉士、保健婦と続く。(下表を参照)
ケアマネジャー職種別合格者数(第1回〜第3回試験の合計)
職種 人数 職種 人数
医師 13,274人 義肢装具士 62人
歯科医師 2,636人 歯科衛生士 3,441人
薬剤師 13,853人 言語聴覚士 204人
保健婦(士) 16,744人 あん摩マッサージ指圧師・
はり師・きゅう師
2,789人
助産婦 861人
看護婦(士)・
准看護婦(士)
77,746人 柔道整復師 1,586人
理学療法士 4,959人 栄養士(管理栄養士を含む) 4,220人
作業療法士 2,604人
社会福祉士 5,082人 精神保健福祉士 564人
介護福祉士 31,994人 相談援助業務従事者・介護等業務従事者 21,564人
視能訓練士 59人
合計204,242人
(複数の有資格者あり) (厚生労働省)
サービス提供事業者も質・量の整備を!
地域によって異なる実態
 
 介護保険の保険者は市町村だ。人口340万人の横浜市のような大都市もあれば1000人という過疎の村もある。保険者の規模や高齢者人口などによって、また勤労世帯の多い都市型か過疎化が進む農村型かによっても、当然、サービス内容に違いが生しる。
 たとえば、本文で紹介した主婦Yさんの住まい、サラリーマン世帯が多く住む東京都練馬区の場合、2000年10月現在の高齢化率は15.3%で、65歳以上の要介護認定者数は1万7307人(2001年1月現在)。これに対して、介護保険の給付対象となる居宅サービスとしては、ホームヘルプ、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、デイサービス、通所リハビリテーション、ショートステイ(生活介護および療養介護)、グループホーム、特定施設入所者生活介護(軽費老人ホームおよび有料老人ホーム)、福祉用具のレンタルを行っている。
 これらのサービスを提供する事業者の件数は、ケアマネジメントを請け負う居宅介護支援事業者か239件、ホームヘルプサービスの172件をはしめ多数の事業者が参入している。事業者の顔ぶれも企業を中心に、医療法人、社会福祉法人、NPOと民間主導だ。しかし、これだけの件数があっても、特別養護老人ホームとデイサービスは申請後すぐに利用できない待機の状態が続いている。
 一方、過疎化と高齢化が進む福井県越前町の場合は、2000年の高齢化率は26.3%で、要介護認定者数は218人。本誌1月号でも紹介したとおり、長年にわたって施設介護に依存してきた同町は要介護認定者の施設入所率が県内で最も高く、施設サービスはほぼ充足しているが、居宅サービスで実施しているものはホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ、福祉用具のレンタルのみ。通所リハビリテーションは隣町の看護ステーションを利用しているが、今後ニーズが発生すると思われる訪問看護と訪問リハビリテーションについても町内の医療機関に参入を呼びかけていく。
 越前町の居宅介護支援事業者は、社会福祉協議会と特別養護老人ホーム「海楽園」の2件で、各サービスのうちホームヘルプとデイサービスは社協、ショートステイは海楽園が行っている。








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