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(イ).水質
 水質と底生生物との関係では、底層水の溶存酸素量が底生生物の生息に特に影響を及ぼすと言われている。今回の調査結果から、水質と底生生物との関係を整理したものが図6である。なお、溶存酸素量と底生生物との関係については(社)日本水産資源保護協会が水産用水基準として、表13のように底生生物への影響濃度を提言している。また、玉井(1998)は大阪湾や広島湾などの調査結果から、底層溶存酸素濃度と底生動物群集の多様度との関係を示し、両者の間には明らかに正の相関があることを報告している。
 今回の調査結果によると、底層溶存酸素濃度と底生動物との間には、玉井が指摘したように明らかに正の相関が見られた。なお、海田湾では10月調査で全地点の底層水の溶存酸素量が「底生生物の生息状況に変化を引き起こす臨界濃度4.3mg/リットル」以下であった。この貧酸素の底層水は底質の悪化と共に、多くの調査地点で無生物域ないし生物貧困域を形成する原因となるなど、底生生物の生息に大きく影響していたと考えられた。逆に、松永湾では、海田湾より底層水の溶存酸素量が高く、底生生物への著しい影響が見られなかった。
表13 底生生物と溶存酸素量の関係
内容 酸素濃度
甲殼類の致死濃度 3.6mg/リットル
貝類に生理的変化を引き起こす臨界濃度 3.6mg/リットル
底生生物の生存可能な最低濃度 2.9mg/リットル
底生生物の生息状況に変化を引き起こす臨界濃度 4.3mg/リットル
 
【引用資料】
(社)日本水産資源保護協会(2000): 水産用水基準
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 注)汚染指標種はこれと随伴する種も含む
図6 底層溶存酸素量と底生生物との関係








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