第7章 フォーカス チャーティングR
1.FOCUS chartingとは
フォーカスチャーティングは叙述的な経過記録の一方法である。
フォーカスチャーティングとは、患者に起こった介入・関わりが必要な出来事
(concerns)に焦点をあて(focus)、その時の患者の状態・状況・情報(data)と、その状況に応じて、実行・介入した事実/行為(Action)、さらにその結果・評価・反応(response)を系統的に記載する叙述的な経過記録である。
* この概念からは、フォーカスケアノートという呼び方がより内容を表現している。
* concernsは、不安な重苦しい精神状態を意味し、患者や看護婦・看護士にとって気がかりな出来事である。
* 介入とは、意図的に結果を導く行為・ケア、治療、処置などをいう。
2.SOAPノートとフォーカスケアノートの記載比較
POSのSOAPノート
咽頭痛
S: 喉が痛くて水も飲めない。
O: 頬粘膜、咽頭後壁、扁桃腺周囲にカッテージチーズ様の付着物。剥離すると出血
A: (カンジダ感染)・口内炎に伴う咽頭痛
P: 1)ファンギゾン4mlでのうがいを効果的に。
2)咽頭後壁におよぶ効果的なうがいを指導
3)今後の治療・オーダーについてDrYと相談
4)白斑と咽頭痛の原因をDrYに説明してもらう
5)#4として初期計画立案
(特徴:情報の分析と問題の決定、根拠に応じた計画
#4咽頭痛R/Tカンジダ感染
S: 喉の痛みは少し楽になった。
O: うがいは正しく実行されている。白斑は・・
A: #4は少しずつ良くなっている。
P: 続行
(特徴:問題の評価を記載)
フォーカス ケアノート
F: 咽頭痛(フォーカス欄に書く)
D: 喉が痛くて水も飲めない頬粘膜、咽頭後壁、
扁桃腺周囲にカッテージチーズ様の付着物。
剥離すると出血する。
A/P: 1)咽頭後壁におよぶ効果的なうがいを指導
2)ファンギゾン4mlでのうがいの実際を指導し、実行した。(ガラガラペッと)
3)今後の治療・オーダーについてDr.Yと相談
4)白斑と咽頭痛の原因をDr.Yにも説明してもらう
5)#4として計画立案
R: 今まで誰もこのようなうがいの仕方を教えてくれなかったよ。と不満そうに語り、何度もうがいをした。説明の後鏡を見て自分で白い斑点を綿棒で取ろうとしたのでとってはいけないと説明し、納得した。
(特徴:情報から何を考えてケアを実行したかとその結果の記載)