2 多良木町の概況
(1)位置等
・多良木町は、熊本県の南部、球磨郡の東部に位置し、北部と南部は九州山脈の支脈を形成する森林におおわれている。面積は165.87km2。
・昭和30年に多良木町、黒肥地村、久米村が合併し現在に至っている。
(2)自然・地形条件等
・隣接する水上村北部を源とする日本三急流のひとつの球磨川が、町の中央を東から西に水量豊かに流れ、八代海に注いでいる。
・気象条件は昼夜の気温格差が大きく、降水量は年間平地で2,000〜2,500mm、山岳部で3,000mm以上あり、冬期には霧・霜が多い。
・多良木町の約81%は森林で占められている。地目別土地利用面積は表V−1のとおり。
表V−1地目別土地利用面積(多良木町)
(単位:ha、%)
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全体 |
|
森林 |
田 |
畑 |
宅地 |
その他 |
面積 |
16,587 |
13,402 |
1,313 |
112 |
271 |
1,489 |
率 |
100.0 |
80.8 |
7.9 |
0.7 |
1.6 |
9.0 |
(平成12年)
(3)交通条件
・県庁所在地の熊本市から町の最寄の人吉市までは九州自動車道で約80分、この人吉市から多良木町までは国道219号等で約30分の距離にある。また人吉市から、第3セクターくま川鉄道も走り、約35分の距離にある。
(4)人口・世帯数
・人口は、平成12年の国勢調査で12,072人で、うち男5,825人、女6,247人となっている。昭和35年国勢調査では19,958人であったが、その後一貫して減少を続け、減少率も平成2年から平成7年までが5.5%、平成7年から平成12年までが5.0%と、高い数値を示している。
・年齢階層別に推移を見ると昭和35年と平成12年の比較で、年少人口(0歳〜14歳)が7,388人から1,770人と激減しており、逆に65歳以上の老年人口が1,235人から3,346人と約2.7倍に増加するなど、少子・高齢化が顕著に表れている。
表V−2人口の推移(多良木町)
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昭和35年 |
昭和40年 |
昭和45年 |
昭和50年 |
昭和55年 |
昭和60年 |
平成2年 |
平成7年 |
平成12年 |
総数 |
19,958 |
18,006 |
16,004 |
14,823 |
14,598 |
14,123 |
13,437 |
12,701 |
12,072 |
0〜14歳 |
7,388 |
5,788 |
4,325 |
3,597 |
3,413 |
3,127 |
2,641 |
2,131 |
1,770 |
15〜64歳 |
11,335 |
10,814 |
10,199 |
9,681 |
9,491 |
8,997 |
8,373 |
7,685 |
6,956 |
65歳以上 |
1,235 |
1,404 |
1,480 |
1,545 |
1,694 |
1,999 |
2,423 |
2,885 |
3,346 |
(5)就業者人口
・総就業者数は昭和35年と平成12年を比較すると、それぞれ9,146人、6,276人と31.4%減少している。平成12年の内訳は第1次産業が1,579人(25.2%)、第2次産業1,969人(31.4%)、第3次産業2,724人(43.4%)となっており、産業構造が第1次産業から第2次・第3次産業へと移行している。
(6)農業
・農家数
総農家数は、平成12年と20年前の昭和55年を比較すると、それぞれ1, 213戸、1,706戸であり、28.9%の減少となっている。
・経営耕地面積
平成12年の経営耕地面積は1,528ha、販売農家1戸当たり平均が1.58haとなっている。
・農業粗生産額
平成11年の農業粗生産額は、4,270百万円で、農家1戸当たりで1,544千円となっている。種別で見ると、米が1,056百万円(24.7%)、野菜が1,052百万円(24.6%)となっており、米と野菜で半数を占めている。
・その他
土地は肥沃で温暖多湿の気候に恵まれ、良質米の他、野菜・果樹等が栽培されている。
(7)林業
・平成12年現在、林野面積は13,402haで、うち国有林が16.6%を占め、民有林は68.0%と、公有林が15.3%となっている。なお、人工林率は全体の73.6%となっている。
・豊富な森林資源により、椎茸等の林産物も多く産出されている。
(8)商業・工業
・商業
表V−3から分かるように、商店数及び従業者数は近年減少を続けている。商品販売額も平成3年をピークに減少を続けており、平成3年と平成11年を比較すると15%以上もの減少となっている。
・工業
工業についても、事業所数、従業者数とも減少を続けているが、製造品出荷額については着実に増加し続けている。
・多良木町の清らかな水と良質の米から作りあげられる球磨焼酎の醸造元が8つあり、地場産業として長い歴史を引き継ぎ、町に活力を与えている。
表V−3商業の推移(多良木町)
|
商店数 |
従業員数(人) |
商店販売額(万円) |
昭和60年 |
261 |
1,120 |
1,937,718 |
昭和63年 |
230 |
1,097 |
1,984,707 |
平成3年 |
252 |
1,070 |
2,243,356 |
平成6年 |
201 |
940 |
1,990,042 |
平成9年 |
187 |
947 |
1,956,004 |
平成11年 |
177 |
927 |
1,889,722 |
表V−4工業の推移(多良木町)
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事業所数 |
従業者数(人) |
製造品出荷額(万円) |
平成6年 |
46 |
1,072 |
1,153,405 |
平成7年 |
47 |
1,056 |
1,244,341 |
平成8年 |
44 |
1,018 |
1,277,409 |
平成9年 |
40 |
957 |
1,464,284 |
平成10年 |
42 |
981 |
1,525,892 |
平成11年 |
39 |
886 |
1,577,060 |
平成12年 |
39 |
875 |
1,840,916 |