日本財団 図書館


5. 経営者の責任
5. 経営者の責任
5.1 経営者のコミットメント
 トップマネジメントは、品質マネジメントシステムの構築及び実施、並びにその有効性を継続的に改善することに対するコミットメントの証拠を次の事項によって示すこと。
a)法令・規制要求事項を満たすことは当然のこととして、顧客要求事項を満たすことの重要性を組織内に周知する。
b)品質方針を設定する。
c)品質目標が設定されることを確実にする。
d)マネジメントレビューを実施する。
e)資源が使用できることを確実にする。
5.2 顧客重視
 顧客満足の向上を目指して、トップマネジメントは、顧客要求事項が決定され、満たされていることを確実にすること(7.2.1及び8.2.1参照)。
5.3 品質方針
 トップマネジメントは、品質方針について次の事項を確実にすること。
a)組織の目的に対して適切である。
b)要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの有効性の継続的な改善に対するコミットメントを含む。
c)品質目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。
d)組織全体に伝達され、理解される。
e)適切性の持続のためにレビューする。
5.4 計画
5.4.1 品質目標
 トップマネジメントは、組織内のそれぞれの部門及び階層で品質目標が設定されていることを確実にすること。その品質目標には、製品要求事項[7.1.8)参照]を満たすために必要なものがあれば含めること。品質目標は、その達成度が判定可能で、品質方針との整合性がとれていること。
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画
 トップマネジメントは、次の事項を確実にすること。
a)品質目標及び4.1に規定する要求事項を満たすために、品質マネジメントシステムの計画が策定される。
b)品質マネジメントシステムの変更が計画され、実施される場合には、品質マネジメントシステムが“完全に整っている状態”(integrity)を維持している。
アンケート結果
◇法規制への考慮・配慮
している82.8% していない17.2% 回答数395事業所 (回答率77.2%)
 大多数の企業において、法規制への好ましい姿勢が判明した。ISOの規格では法規への配慮と共に、その製造及びサービス提供において、それら要求事項を明確にしてプロセスや製品・成果に反映させることを求めている。
◇顧客重視(顧客満足)への考慮・配慮
している91.0% していない9.0% 回答数400事業所 (回答率78.1%)
 これも大多数の企業において、法規制への好ましい姿勢が判明した。ISOの規格では顧客満足に対する測定を求めているため、このベースとなる姿勢は非常に重要である。
◇経営資源(人・施設・設備)の考慮・配慮
している88.8% していない11.2% 回答数400事業所 (回答率78.1%)
 経営資源を必要に応じて確実に提供することは、ISOの規格において重要視されているが、大多数の企業においてそれらへの配慮がなされている結果が出たことは、非常に好ましい状況である。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION