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2. ISO9001:2000 品質マネジメントシステムについて
(1) 品質マネジメントシステム(QMS)とは
 1987年にISO9000シリーズ規格が、国際標準化機構(ISO)において制定された際には製品やサービスを作り出すプロセスに対する「外部に対する品質保証」の規格であった。これが、2000年に大改訂され、継続的改善と顧客満足の管理が付け加えられ、最終的には現状維持のみならずシステム改善まで含めた「品質」に対する「経営(マネジメント)」を志向した規格となった。
 通常、「品質保証」や狭義の「品質管理」というと、作り出された“製品・サービス”そのものを対象としたものであるが、ISO9001(以下規格)の対象は、それらを作り出すための“現業”を中心とした作業及びそのつながりや管理を含んだ“工程(プロセス)”を対象としている。
 つまり、品質マネジメントシステム(=QMS以下同じ)の見地からすると、品質の悪い製品・サービス自体を問題として捉えるのではなく、その発生プロセスの善し悪しや、品質の悪い製品・サービスに対するその後の処置こそが問題となるのである。(但し、改訂で一部変質している部分はあるが。)
 「品質マネジメントシステム」は、品質を作り出す「仕組み」が対象であると言え、規格に基づいた認証は、この仕組みが存在し、機能していることが審査の対象となる。
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 しかも、規格で規定するQMSは、製品・サービスを作り出す全ての業務要素を取り入れたため、以下のように非常に広範囲な内容となっている。昨今、「サプライマネジメント」(製品・サービスの供給プロセスの改善を志向した経営手法)が話題になっているが、一般的にそれらが指している範囲よりも広いものと言え、これはほぼ日々の経営管理対象そのものとも言える内容である。そのことから、初めて接する場合には、まず、頭の切り替えが必要となってくるかもしれない。
ISO9001:2000が対象とする範囲
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