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III.中高齢者の身体機能低下と安全配慮の例
1.視力
・70cm或いは30cm程度離れたものを見る中・近距離視力の低下
・視線を移したときピントを合わせる遠距離視力の低下
・色の濃淡を判別する能力の低下
・明るい所から暗い所に入った時(或いはその逆)の目の慣れ、順応力の低下
 
(安全配慮の例)
・スイッチ・メーターの表示、警告板等の拡大、コントラストの明確化、色分けの明確化
・頻繁な視線移動が必要な操作装置、メーター類の改善、作業方法の見直し
・通路、作業床等の照明の工夫
2.聴力
・まわりに騒音があるとき特定の音が聴き取りにくい
・高い音が聴こえにくくなる
 
(安全配慮の例)
・現場における指示、連絡合図等の工夫(音声だけでなく合図灯、カード、旗等を活用する)
・作業指示を明確に話すとともに復唱させ内容が伝わったかどうかを確認する
3.敏捷性
・機敏な動作や反応ができない
 
(安全配慮の例)
・墜落、転落防止柵の設置
・安全帯使用の徹底
・狭隘な足場・作業床上の作業の制限
・立入制限等の条件設定の厳格化
・高速の設備・機器の使用制限
4.記憶力
・物忘れが多くなる
 
(安全配慮の例)
忘れ防止対策の強化(点検、確認の忘れ防止策、スイッチの入り切りの忘れ防止策、作業指示は簡潔に分かりやすく)
5.筋力
・重量物の運搬がきつい
・手持工具・器具が重い
・足腰が疲れる
・垂直梯子の昇降に不安を感じる
 
(安全配慮の例)
・治具、工具の改善
・機械、設備の見直し(昇降設備の設置等)
・作業方法の見直し
・動力車等の活用








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