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あとがき
 1975年の第5回全米里親会大会に始まり、1986年の第16回大会までの模様と、1979年米国里親会長の我が国の全国里親大会への来日といった日米両国里親会の交流の足跡を振返りました。
 夫々の大会での人々との出会い、沸騰した論議やその外印象深い場面などが記憶に甦ってきました。
 この間米国の里親事情は、何と言っても1970年代に始った脱施設化の大きなうねりの中で施設が消滅して里親中心に大変貌して了ったことでありました。
 この流れに対応して里親には心身に障害のある子供や虐待やネグレクトされた子供等が挙げて委託され、里親は猛烈な勉強や研修をうけることになり、また行政側はこの様な子供を養育する里親に対する附加給付金の増額支給を図るなど、施設に代る里親の側に起る諸々の問題を解決しなければならなかったのでした。
 しかも1980年代の合衆国政府や州政府の財政事情は極めて悪化し、里親はこの逆風に晒されることになったわけです。
 以上のような経過や経験は、20年は遅れていると言われる我が国の里親制度に対して強烈な示唆を与えることは明らかなことでしょう。
 2001年秋日
 渥美節夫
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全米里親会長から同会第25回大会を記念して、
日本里親会長に贈られた花瓶








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