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1年間の活動を振り返って
運営委員(副会長) 林 幹男
 
約1年余の準備期間を経て昨年5月13日に発足した福岡犯罪被害者支援センターの活動が1年を経過しました。当面の活動としての電話相談も、当初、土曜日の午後3時間のみであったものが、10月からは月曜日の夜2時間を加えて、週2日(延べ5時間)のサービス体制に拡大されました。週5時間とはいえ、20数名のボランティア相談員で毎週欠かさず続けることはそうたやすいことではありません。まして、財政的事情もあって、十分とはいえない環境の中での活動であるだけに、運営委員として本当に頭の下がる思いです。
この間、受けた相談件数や内容については、別途、整理 分析されるでしょうが、ひと口に「被害」といっても、受話器を通じて伝わる苦渋に満ちた心の有様は多様で、それぞれに固有の重さをもって迫るものがあり、ときには電話相談の限界に相談員自身が戸惑うことも少なくないようです。あらためて、私達に出来る「支援」と被害者の方々が求めているそれとの接点について考えされられる日々です。
その意味では、個々の相談員の体験を運動体の理念と整合させたり、その有意性を検討する機会としての研修が不可欠と思います。毎回の担当者間でのカンファに加え、定期的に全体研修会を用意したり、さらにはスーパービジョンや相談員ケアのシステムを整えることも望まれます。この1年間、手探りでいくつかの研修を試みてきましたが、果たしてどのくらい成果があったか、残念ながら、心許ない状況です。しかし、嬉しいことに、定期的な研修会や関係者どうしの交流会を望む声がボランティアの中からもあがっております。2年目は、全国の各センターとのネットワーキングをも含め、さらに体系化された研修の機会を用意し、積極的に活用していただけるよう努力していきたいものです。大方のご協力をお願い申し上げる次第です。


平成12年度電話相談受付状況(2000年5月〜2001年3月)
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