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このごろ思うこと
相談員としての課題
フォーカシングと私
このごろ思うこと 電話相談員 Sさん
 
 通園施設のXマス会で「狼と七匹の子山羊」を演じる母親から四歳のK子ちゃんを預かりました。母親が狼に食べられようとした時、小さなこぶしを握りしめ、ぶるぶる震えながら不自由な体で私の膝から乗り出しました。
 コトコトと早鐘の様な心臓の鼓動が電流のように伝わり、思わず「大丈夫よ」と言いながら、小さな体を強く抱きしめていました。
 狼のお腹から母山羊が助け出されたときK子ちゃんは、嬉しさのあまり「キャー」と声を張り上げ「グー」だった両手を「パー」にし、全身で喜びを表現していました。
 このように初対面でも肌を通したり、面接の場合では、相手との心の対話を通じて瞬時に理解でき、このような活動を行なうことで感動やパワーをたくさんいただき、私の活動の原動力になっています。
 電話相談でもこんな感動に出会えるよう自分を深めながら、暗いニュースの多い社会に一灯を点じ、一隅を照らす活動の輪を点から線へ、面へ広げて生きたいと思います。
 
相談員としての課題 電話相談員 Oさん
 
 被被害者及び家族に二次被害を与える側に、相談員である自分が立たないために、どのように学んでいくかが今の私の課題である。
 日常の中でも「この言葉は傷つく・・」と思う場面に多々出会う。傷つくのは相手であったり自分であったり、居合わせた誰かであったりする。気付かない事もたくさんあるのだろう。理解しているつもりでも人との関係の中に自分を置いてみると、思いがけない言葉や感情の動きが出てきたりする。自分の心の動きを教材として気付ける範囲を広げていきたい。
 自分の価値観の範疇にないものに対しては、厳しい見方をしてしまう。かくあるべきと思うものを、相手にも要求してしまう自分がいる。日常の人間関係の中で訓練され、自他ともに尊重できるようになる事が、相談員としても大切な資質だろう。遅々とした歩みであるが、少しずつ学んで身に付けていきたい。
 
フォーカシングと私 電話相談員 Iさん
 
過日、電話相談員の研修当番になった。Kさんの勧めでフォーカシングをする事になった。クライアントは私たち二人で、リスナーは筒井先生にお願いした。
当日、まず身体をほぐし、どこにも力が入らない状態にするため、呼吸を整えたり、手や肩の力を抜く事から始まった。順次意識を身体の外側、ついで内側に向けていった。私の場合は胃のあたりに何か固まりがあって、時々痛みが感じられたリスナーの勧めでさらに意識をそこに集め続けるとその固まりが白色でどんどんふくらむ様子であった。意識を集中し続けているとさらに変化して薄い鉄片に、最後は小さい固まりになった。それをピンポン玉と呼ぶ事にし、それに一応別れを告げ私のフォーカシングは終わった。
不思議にその後数日間、以前に増してぐっすりと眠れた。フォーカシングは間接的に相談員としての資質を豊かにする助けになると思う。
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