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犯罪被害者支援フォーラムinあきた
[日時平成13年11月20日(火)]



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「犯罪被害者支援フォーラムinあきた」が、秋田県警察本部、秋田県被害者支援連絡協議会、秋田被害者支援センターが主催し、開催された。来賓として、警察庁犯罪被害者対策室長安田貴彦氏をお迎えし「本日のフォーラムのように、行政機関、あるいは法曹界、あるいは民間団体の方々、被害者支援にかかわっておられる方々が一同に会いまして意見交換を行なうということは大変意義深いものだと思います。社会全体の被害者支援の輪を広げるための力強い原動力になると同時に、ひいては安全で安心に暮らせる社会、地域社会の建設に大いに貢献をなさるものと確信をしております。皆様方のご尽力によりまして本フォーラムが秋田県における被害者支援の新たな1ページを開いていただき、被害者支援が今後とも息の長い活動として発展をしていくことを期待して止みません。」とご祝辞を賜りました。
 
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基調講演の渡辺冶重氏は、ご長男を交通事故で亡くした体験から被害者遺族の心情を話されました。その一部を紹介すると「私どもの長男、龍は平成7年3月19日、大学の春休みにアルバイトをしておりました。あの、夜9時にアルバイトが終わり、帰路、青信号をオートバイで直進中免許とりたての未成年者の車が無理な右折をしたため避けきれず衝突し、即死しました。二十歳でした。交通事故に遭った遺族の立場がどんなものか、被害者や遺族がどんな悲惨な生活に追い込まれていくか、更に時間の経過とともにどんな心境に追い込まれていくかという現実を被害者遺族の立場からお話させていただきたいと思いました。どんなに交通事故が起こっても、自分の子どもを、交通事故で亡くすことなんて、もう本当に考えてもみなかったことでした。突然降りかかった悲劇の本当の苦しみや悲しみを、当事者の私が話さなければ真実が伝わらないと思ったからです。そして一人でもこの苦しみ辛さを自分の身に置き換え現在、自宅の一部を開放して、被害者支援自助グループとして主に交通事故により子どもをなくした遺族の癒しの場を持っています。ここでは同じ悲しみ苦しみを持った被害者遺族が安心して自由に話せたり泣いたり笑ったり、そういうことができるんです。そういうことをしてお互いを支えあっていけば、自分ひとりが孤独ではないということに気付きます。まだ新しい被害者は生きる気力もありませんけれど、古い人の話を聴くうちに5年経ったら涙も止まるのかしらと思うようになります。」と交通事故被害者遺族として語られた言葉一つ一つに重みがあり、被害者支援の重要性を改めて感じたしだいです。
 
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パネルディスカッションでは、被害者支援の現在と未来についてパネラーそれぞれの立場から語られました。特に警察庁犯罪被害者対策室の安田貴彦室長からは、「各都道府県に専門の相談窓口が設置され、積極的な被害者支援対策を推進していることや民間の被害者支援団体との連携が重要」と発言がありました。当支援センターの佐藤会長は、「今後の直接支援をにらんだ組織作りと財政基盤の強化、相談員の確保、相談者の声に耳を傾け心に寄り添った相談活動を心がける。」と発言がありました。交通事故に遭ったり、ストーカーにねらわれたり、自分の意志ではないのにそのような立場になる、それは他人事ではなく、自分事です。
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