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3.港湾運送
○ 港湾運送事業の概要
(1)港湾運送事業の規制緩和
 平成12年11月より、コンテナ取扱量の多い全国9港において規制緩和が実施され、港湾運送事業の免許が許可となった。九州管内においては、関門港と博多港がその対象となった。
(2)事業者
 港湾運送事業法に規定する九州運輸局管内の指定港湾は23港で、全国94港の24%を占めている。
 管内指定港湾における港湾運送事業者は、事業の近代化・集約化の進展に伴い逐次減少する傾向をたどり、昭和55年度から平成12年度までの間に26事業者・90業種が減少している。
 平成12年度末現在における港湾運送事業者数は、149社(対全国比14.8%)であり、このうち資本金1億円以上の事業者が33社22.1%、資本金1億円未満の事業者が116社77.9%となっており、小規模事業者が大半を占めている。
 また、作業範囲が荷主、貨物、場所等により限定されたいわゆる限定免許等数は72で管内免許等数(239)の30.1%である。
(3)労働者
 港湾労働者は、荷役施設や荷役機械の大型化、近代化等荷役形態の変化により減少を続け、特に、はしけ労働者については、はしけ需要の減少に伴う影響が顕著となり減少傾向となっていたが、近年横ばいで推移している。
 また、雇用形態別(常用・日雇)にみると、管内の昭和55年度の日雇依存率は11.9%(関門7.1%)であったのに対し、平成12年度は4.7%(関門2.3%)となっている。
(4)船舶積卸し実績
 管内における船舶積卸し実績は、昭和48年の石油ショック以降昭和51年には立ち直り、順調に推移していたが、昭和61年度は、対外経済環境の悪化により大幅な落ち込みを示した。その後、昭和62年度からは好転し、平成4年度は一時減少したものの平成5年度以降は、ほぼ右肩上りで推移していた。平成10年度は、景気の後退により大幅に落ち込んだが、平成11年度以降やや回復している。
 平成12年度の実績を品目別に見ると、九州の産業構造を反映して、石炭、金属鉱等の鉱産品が全体の46.6%と大半を占め、続いてコンテナ等の特殊品(20.0%)、金属機械工業品(19.7%)が大半をなしている。
 また、港湾や荷役施設の整備が進んだことにより、はしけ需要は減少を続け、管内の平成12年度のはしけ総積トン数は、昭和55年度時から42.3%の大幅な減少となり、接岸荷役が大半を占め沖取り荷役は皆無となっている。
表2−34 港湾運送事業者数の推移(管内港別・業種別) (各年度末現在)
55年度 60年度
事業者 業種 事業者 業種
一般 船内 はしけ 沿岸 いかだ 一般 港湾荷役 はしけ いかだ
一貫 船内 沿岸
一種港 関門 74 15 18 20 54 5 112 66 15 3 14 45 18 5 100
二種港 博多 21 9 8 1 18 - 36 21 9 1 8 17 1 - 36
                               
三池 3 1 3 - 3 - 7 3 1 - 3 3 - - 7
水俣 2 1 - - 2 - 3 2 1 - - 2 - - 3
鹿児島 15 5 5 1 9 - 20 14 5 - 5 9 1 - 20
41 16 16 2 32 - 66 40 16 1 16 31 2 0 66
三種港 苅田 7 3 3 - 5 - 11 7 3 - 3 5 - - 11
大牟田 5 - - - 5 - 5 5 - - - 5 - - 5
唐津 2 - 2 - 2 - 4 2 - - 2 2 - - 4
伊万里 2 - 2 - 2 1 5 2 - 2 - - - 1 3
臼浦 1 - 1 - 1 - 2 1 - - 1 1 - - 2
相浦 2 - - - 2 - 2 2 - - - 2 - - 2
佐世保 8 2 1 2 6 - 11 8 2 - 1 6 2 - 11
長崎 13 2 5 4 10 - 21 13 3 - 4 9 3 - 19
三角 2 2 - - - - 2 2 2 - - - - - 2
八代 6 1 3 - 5 - 9 6 1 3 - 2 - - 6
大分 11 3 7 - 11 - 21 12 4 - 8 11 1 - 24
津久見 5 - 4 1 5 - 10 5 - - 4 5 1 - 10
佐伯 4 1 3 - 3 1 8 4 1 - 3 3 - 1 8
細島 5 4 5 - 5 - 14 5 4 - 5 5 - - 14
油津 3 3 - - - - 3 3 3 - - - - - 3
名瀬 4 3 1 - 1 - 5 4 3 - 1 1 - - 5
宇部 8 2 3 1 7 - 13 9 2 - 3 8 1 - 14
小野田 4 - 1 - 4 - 5 5 - - 1 5 - - 6
92 26 41 8 74 2 151 95 28 5 36 70 8 2 149
合計 207 57 75 30 160 7 329 201 59 9 66 146 28 7 315
全国 1,571 605 396 327 1,009 96 2,433 1,477 608 48 352 902 282 82 2,274
対比(%) 13.2 9.4 18.9 9.2 15.9 7.3 13.5 13.6 9.7 18.8 18.8 16.2 9.9 8.5 13.9
 
11年度 12年度
事業者 業種 事業者 業種
一般 港湾荷役 はしけ いかだ 一般 港湾荷役 はしけ いかだ
一貫 船内 沿岸 一貫 船内 沿岸
一種港 関門 54 15 10 6 32 9 3 75 特定港湾 関門 51 15 9 6 30 9 2 71
二種港 博多 22 9 8 1 9 - - 27 博多 22 9 8 1 9 - - 27
                  73 24 17 7 39 9 2 98
三池 3 1 - 3 3 - - 7 甲種港 三池 3 1 - 3 3 - - 7
水俣 2 1 - - 2 - - 3 水俣 2 1 - - 2 - - 3
鹿児島 13 5 5 - 4 - - 14 鹿児島 13 5 5 - 4 - - 14
40 16 13 4 18 0 0 51 18 7 5 3 9 0 0 24
三種港 苅田 7 3 2 1 3 - - 9 乙種港 苅田 7 3 2 1 3 - - 9
大牟田 3 - - - 3 - - 3 大牟田 3 - - - 3 - - 3
唐津 2 - - 2 2 - - 4 唐津 2 - - 2 2 - - 4
伊万里 2 1 2 - - - 1 4 伊万里 2 1 2 - - - 1 4
臼浦 1 - - 1 1 - - 2 臼浦 1 - - 1 1 - - 2
相浦 2 - - - 2 - - 2 相浦 2 - - - 2 - - 2
佐世保 8 2 - 1 6 2 - 11 佐世保 6 2 - 1 5 1 - 9
長崎 12 3 3 1 4 4 - 15 長崎 12 3 3 1 4 4 - 15
三角 2 2 - - - - - 2 三角 2 2 - - - - - 2
八代 8 2 5 - 1 - - 8 八代 8 2 5 - 1 - - 8
大分 11 4 6 1 4 1 - 16 大分 11 4 6 1 4 1 - 16
津久見 5 - 3 1 2 1 - 7 津久見 5 - 3 1 2 1 - 7
佐伯 4 1 3 - - - 1 5 佐伯 4 1 3 - - - 1 5
細島 5 4 5 - - - - 9 細島 5 4 5 - - - - 9
油津 3 3 - - - - - 3 油津 3 3 - - - - - 3
名瀬 4 3 1 - - - - 4 名瀬 4 3 1 - - - - 4
宇部 9 2 5 - 3 1 - 11 宇部 9 2 5 - 3 1 - 11
小野田 4 - 3 - 1 - - 4 小野田 4 - 3 - 1 - - 4
92 30 38 8 32 9 2 119 90 30 38 8 31 8 2 117
合計 186 61 61 18 82 18 5 245 合計 181 61 60 18 79 17 4 239
全国 1,344 620 196 221 674 186 63 1,960 全国 1,329 619 198 216 657 181 60 1,931
対比(%) 13.8 9.8 31.1 8.1 12.2 9.7 7.9 12.5 対比(%) 13.6 9.9 30.3 8.3 12.0 9.4 6.7 12.4

資料: 国土交通省「港運統計資料」
注1) 法改正により、昭和60年から業種区分変更。
2) 法改正により、平成12年度から、1種港、2種港、3種港は特定港湾、甲種港、乙種港となった。
  (ただし、博多港は2種港から特定港湾へ変更)
表2−35 港湾運送事業者数の推移(五大港港別・業種別) (各年度末現在)
55年度 60年度
事業者 業種 事業者 業種
一般 船内 沿岸 はしけ いかだ 一般 港湾荷役 はしけ いかだ


沿
関門 門司 23 10 5 11 14 - 40 20 10 2 3 11 9 - 35
小倉 14 2 2 1 10 2 17 14 2 - 2 10 1 2 17
下関 10 - 2 - 9 1 12 10 - - 2 9 - 1 12
洞海 27 3 9 8 21 2 43 22 3 1 7 15 8 2 36
74
(100)
15 18 20 54 5 112
(100)
66
(89.2)
15 3 14 45 18 5 100
(89.3)
京浜 298
(100)
126 54 107 129 13 429
(100)
271
(90.9)
126 5 47 110 88 11 387
(90.2)
名古屋 64
(100)
31 15 12 42 6 106
(100)
58
(90.6)
32 4 11 34 11 4 96
(90.6)
大阪 247
(100)
88 19 79 145 11 342
(100)
218
(88.3)
84 7 12 119 71 6 299
(87.4)
神戸 165
(100)
67 21 44 89 6 227
(100)
149
(90.3)
67 13 9 69 34 4 196
(86.3)
五大港計 848
(100)
327 127 262 459 41 1,216
(100)
762
(89.9)
324 32 93 377 222 30 1,078
(88.7)
関門港/五大港(%) 8.7 4.6 14.2 7.6 11.8 12.2 9.2 8.7 4.6 9.4 15.1 11.9 8.1 16.7 9.3
 
11年度 12年度
事業者 業種 事業者 業種
一般 港湾荷役 はしけ いかだ 一般 港湾荷役 はしけ いかだ
一貫 船内 沿岸 一貫 船内 沿岸
関門 門司 15 8 4 1 7 2 - 22 15 8 4 1 7 2 - 22
小倉 12 2 2 - 7 - 1 12 12 2 2 - 7 - 1 12
下関 7 1 1 - 6 - - 8 7 1 1 - 6 - - 8
洞海 20 4 3 5 12 7 2 33 17 4 2 5 10 7 1 29
54
(73.0)
15 10 6 32 9 3 75
(67.0)
51
(68.9)
15 9 6 30 9 2 71
(63.4)
京浜 242
(81.2)
126 18 31 87 55 7 324
(75.5)
240
(80.5)
126 20 29 84 53 7 319
(74.4)
名古屋 56
(87.5)
31 11 3 28 8 3 84
(79.2)
55
(85.9)
31 12 2 27 8 2 82
(77.4)
大阪 186
(75.3)
80 14 7 92 43 3 239
(69.9)
182
(73.7)
77 15 6 86 43 3 230
(67.3)
神戸 125
(75.8)
64 15 3 54 17 2 155
(68.3)
124
(75.2)
64 15 3 53 16 2 153
(67.4)
五大港計 663
(78.2)
316 68 50 293 132 18 877
(72.1)
652
(76.9)
313 71 46 280 129 16 855
(70.3)
関門港/五大港(%) 8.1 4.7 14.7 12.0 10.9 6.8 16.7 8.6 7.8 4.8 12.7 13.0 10.7 7.0 12.5 8.3

資料: 国土交通省「港運統計資料」
注1) 法改正により、昭和60年から業種区分変更。
2) ( )は昭和55年を100とした場合の指数。








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