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九州地方整備局 港湾空港部 海と空のコーナー
アジア地域を初めとする国際的・広域的な交流と連携のための拠点づくり
国土交通省九州地方整備局 北九州港湾空港工事事務所

【響灘大水深コンテナターミナル】
 アジアと世界を結ぶ国際競争力をもつハブポート

 国の長期構想に基づく中枢国際港湾として位置づけられた北九州港響灘大水深コンテナターミナルは、コンテナ貨物量の増大及びコンテナ船の大型化(5000〜6000TEU積み大型コンテナ貨物船)に対応するため、九州で唯一のマイナス15m大水深バースを備え、環黄海圏において発生する北米・欧州向け貨物の中継(トランシップ)拠点機能を担う国際ハブポートを目指し、第一期事業を平成15年度供用開始を目途として整備を進めています。
響灘地区全景
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第1期整備の概要
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■第1期整備の概要-15m岸壁は出来るだけ早く供用する必要があるため、早期に安価に整備可能な箇所として西部地区南側を選定し、第1期事業地区としている。
 平成10年3月に現地着工した大水深岸壁は、九州で初のハイブリッド(合成版構造)ケーソンを採用しており、平成11年度より航路及び泊地の浚渫で発生する土砂による埋立を開始し、平成12年度末には防波堤(西)が完成するとともに、岸壁上部工・ガントリークレーン基礎工事等を進めています。
 平成13年度は、マイナス15m岸壁(1バース目)のエプロン舗装を行って完成させるとともに、12年度に引き続き航路(マイナス16m)・泊地(マイナス15m)の浚渫、浚渫土砂による埋立及び防波堤(東)の整備を促進します。
 また、本コンテナターミナルの整備運営に当たっては、北九州市においてPFI(民間の資金及び運営能力の活用)を導入し、シンガポールのPSA社を中心としたグループが優先交渉者として決定しています。今後は、低コストで国際的水準のサービス機能を持つコンテナターミナルの整備運営により、アジアと世界を結ぶ国際競争力をもつハブポートとして大きな期待が寄せられています。

【新若戸道路】
 港湾・道路事業の連携で整備を行う九州初の本格的沈埋トンネル

 新若戸道路は、「響灘大水深コンテナターミナル」の供用開始に伴い、将来的に交通量の増大が予想されることから、マルチモーダル交通体系の連携事業として、現在若戸大橋に集中している響灘・若松地区から戸畑・小倉方面への交通の円滑化を図るため、同コンテナターミナルのメインアクセスとして整備をするものです。
 新若戸道路は、自動車専用道路としては九州初の本格的沈埋トンネルとして整備を行うもので、全長約4.2kmの内、若松区浜町交差点から戸畑区川代埠頭までの約1.2kmを当所が整備し、この内の洞海湾を横断する約560mについて沈埋トンネル工法を採用し、両端部を陸上トンネルと掘割区間により整備します。
 本道路は、[1]工費縮減のため、トンネル延長を出来るだけ短くし、既設構造物等への影響を極力少なくするため陸側を直線としたことにより、沈埋函全てが3次元曲函で構成されること。[2]トンネル区間が比較的短く、通常時・渋滞時とも自然換気が成立するため、立坑を必要としないこと。[3]工場密集地での近接施工と狭隘な管制航路内における施工であること。[4]沈埋函直下が岩盤層であるため、不等沈下等を考慮しなくて良いこと等を特徴とした九州初の沈埋トンネルです。さらに伸縮性ゴムガスケット・流動化コンクリートの開発等、新技術・新素材の導入を図り、コスト縮減と環境面や地元への配慮を積極的に推進することとしています。平成12年には若松側陸上部の詳細設計と技術的検討調査等を行い、平成13年度は現地着工を行う予定です。
新若戸道路位置図
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平面図と縦断図
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 新若戸道路の整備により、国際交流拠点である響灘地区が高規格道路と結ばれ、背後圏との円滑な輸送の確保や背後圏の拡大が可能となり、響灘大水深コンテナターミナルの機能充実と物流の高速性・定時制が図られることとなります。









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