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【新北九州空港】
 港湾・空港・道路事業の連携により整備が進む本格的海上空港

 新北九州空港は、北部九州地域の航空需要を担うため、現空港(滑走路長1600m)の沖合い3kmの海上にある新門司沖土砂処分場と苅田沖土砂処分場を利用して建設をするもので、延長4125m、幅900m、総面積373haの処分場の内、約160haが空港用地となります。
 本事業は、空港整備事業を基本として関門航路等の浚渫土の埋立処分を行う港湾整備事業との合併事業であり、さらに新空港へのアクセスである空港連絡道路や東九州自動車道を実施する道路整備事業の3つの事業が連携して進める大型プロジェクトです。
 新北九州空港は、2500mの滑走路を有した大型ジェット機が離発着可能な空港であり、海岸から3km沖合の海上空港であるため騒音の影響が少なく、運航条件が優れていること。土砂処分場の跡地を活用して建設するため経済的であることが特徴です。
 平成6年10月新門司沖土砂処分場の護岸工事に着手し、平成10年12月に北護岸の開口部を除いて総延長約8kmの護岸が概成、浚渫土による第1工区(85ha)の埋立は平成11年6月に完了しました。
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地盤改良図
 航空機が離発着する滑走路等の主要施設を建設するためには、埋立てられた浚渫土砂は超軟弱であり周防灘海域の在来地盤も軟弱地盤であるため、地盤改良により沈下圧密を促進して強固な地盤を形成することが必要不可欠となります。地盤改良は埋立をした浚渫土(超軟弱土)の上にネット状シートを敷設し、さらにサンドマットで表面処理を行い、ペーパードレーンを打設します。その後、覆土工事を実施し沈下圧密の促進を図ります。
 最大の面積を有する第1工区では、工事促進を図るために工区中央で東西に二分し施工をしています。西側半分は、平成11年12月より地盤改良工事に着手し、現在ペーパードレーンを打設しています。また東側半分は、浚渫土砂の上にネット状シートを敷設し、サンドマットによる表面処理を実施中です。地盤改良工事の終了後、13年度内に全域に亘って計画高の半分まで、180万m3規模の覆土を行う予定です。
 第2工区(65ha)は、平成11年9月の台風18号により被災しましたが、昨年の11月に予定より早い期間で東護岸の復旧工事を完了し、浚渫土の投入を再開しています。
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空港基本計画図と工区図
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新北九州空港全景
 今年末までに約200万m3を投入する計画であり、13年度中に浚渫土の受入が完了する予定となっています。埋立完了後は、埋立土の性状及び埋立土高、強度等の調査を実施し、地盤改良工事へ移行することとしています。
 苅田工区では、平成12年3月に覆土工事を完了したことから、現在は沈下状況を把握するため計器観測を実施しています。現時点では順調に圧密が進んでおり、年度内は計器観測による圧密状況の把握を行いながら圧密促進を図ることとしています。
 第3工区(70ha)では、関門航路等周辺の港湾整備事業により発生する浚渫土砂を一時工区内のポケットに仮投入して、ポンプ式浚渫船で第2工区内へ排送し埋立を行っており、第2工区の埋立完了後は、第3工区において浚渫土を受け入れていくこととなります。

【事務所の近況】
 新庁舎完成「市民に開かれた事務所」を目指し、1階に展示ホールを設置

 当事務所では、三大プロジェクトヘの一般見学を受け入れています。昨年度、新北九州空港整備事業への見学者数は、3700名を超えました。現在では、予定を含めて既に1000名に達しており、今年度は5000名に到達するものと予測しています。
 また当事務所は5月に新庁舎が完成し、北九州市門司区西海岸1丁目4番40号(門司港湾合同庁舎隣り)へ移転しました。
 新庁舎はバリアフリー・省エネ化を図り、門司港レトロ地区の景観に配慮しながら、港湾・空港整備を進める拠点として、ゲート(門)をイメージさせる斬新な建物となっています。また地域の方々に開かれた事務所として、1階に三大プロジェクトの展示ホールを設けています。地域の方々が自由に訪れ、各事業への理解を深めて頂けるよう、双方向での連携と情報交換・発信の場にしたいと考えています。
 今後は、効率的な執務環境と機能を有した新庁舎と新北九州空港整備事業の施工管理を実施する新北九州空港分室(新門司)、響灘大水深コンテナターミナルと新若戸道路整備事業の施工管理を実施する響灘建設事務所(戸畑)を拠点として、三大プロジェクトの推進を図るとともに、対岸のアジア地域を初めとする国際的・広域的な交流と連携のための拠点づくり等、九州地方整備局としての統合メリットを活かした事業展開と地域の要請に応じたより効率的で効果的な社会資本整備を進め、21世紀における港湾・空港づくりを目指します。
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新庁舎写真








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