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1.点検・整備の実施の状況
(1)法定点検と自主点検
 取組強化項目1
 自動車の走行に伴うCO2やNOx、黒煙・PMを削減するための、日常点検や定期点検・整備の確実な励行。

 道路運送車両法では使用者の自己管理責任において、使用過程車の状態を良好に保つことが明記されており、かつ法定点検として日常点検及び定期点検の実施が義務付けられている。
 日常点検は1日1回、車両の運行開始前に行う点検である。定期点検は自動車の使用における磨耗劣化や時間の経過における経年劣化に起因する不具合の発生を防止するため、一定期間ごとに点検・整備を行うものであり、点検を実施する箇所及び内容は法令に定められている。
 事業用貨物車(トラック)における定期点検の実施状況を、運輸省(現国土交通省)の97年度調査(表1)でみると、3ヶ月点検の実施率は56.6%であり、乗合車(バス)、事業用乗用車(タクシー)に比べ、格段に低い状況である。
表1 主要な車種の定期点検・整備の実施率
主要な車種 実施率(%)
1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年
事業用貨物車 27.3 56.6 - -
自家用大型貨物車 3.0 15.8 - -
自家用中・小型貨物車 - - 30.9 -
レンタカー(中・小型貨物) 14.5 65.0 - -
乗合車 69.8 82.0 - -
事業用乗用車 95.5 97.9 - -
レンタカー(乗用) - - 90.9 -
自家用乗用車 - - - 41.6
注:実施率算出根拠は以下のとおり。
 なお、実施率の算出にあたって、定期点検・整備記録簿の無いものは未実施扱いとした。
 実施率(%)=(対象車両の点検・整備の延べ回数)/(法定点検・整備設定回数)*(対象車両数)*100
資料:運輸省「点検・整備時の整備実施状況調査」(97年)
 また、法定点検は標準的な使用における最低限の点検を義務付けているものであり、走行距離や積載重量から見て劣化の状況が著しいことが予想される場合においては、定期点検に加えて独自の点検も効果的かつ重要である。
 平成12年度のディーゼル車の排出ガス低減キャンペーン期間中(6月、12月)に整備事業者及び運送事業者が行った点検・整備による黒煙の改善状況は次のとおりであった。
・点検・整備によるディーゼル黒煙の改善状況は、20%以上低減した車両は約4分の1(23%)、10%以上低減した車両は約半分(54%)となっており、ディーゼル黒煙の低減に点検・整備が大きな効果があることが確認された。
図1 黒煙濃度が低減した車両の割合(サンプル調査)
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・点検が行われたディーゼル車47,206台のうち約8割(38,040台)について、エアクリーナの清掃又は交換が必要であった。
図2 エアクリーナの清掃又は交換した車両の割合
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出典:旧運輸省記者発表事項(平成12年8月分)
 このキャンペーンにおけるエアクリーナの清掃又は交換は、保安基準に不合格であったために行われたのではなく、汚れが見られたために行われた。
 このキャンペーン結果は、点検・整備による効果を明確に示すとともに、車両の使用状況によっては保安基準に適合している場合でも、エアクリーナの清掃又は交換を行うことが黒煙の低減に効果があることを表しており、定期点検の機会を利用し、前回の交換からの期間や、メーカー推奨基準を参考に予防的な整備を行うことの必要性を示唆している。








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