2.チェックリストによる評価方法の検討
ここでは、環境保全活動への取組結果(環境パフォーマンス)に対する評価方法や評価のためのレベル基準を検討した。
(1)個別項目の評価
環境パフォーマンスの評価方法としては、以下の手法が代表的なものである。
1)段階評価
評価項目ごとに、環境パフォーマンスのレベルを「低」から「高」に向けて段階的な基準を設定し、その基準をもとに自らの取組レベルを評価する手法である。
取組結果のレベルについての評価尺度が設定されるので、同じ基準を採用することによって、基準期間との比較や事業者間での比較が可能である。
2)定性的な評価
取組結果のレベルを具体的に示さず、
「3:よくできている」
「2:できている」
「1:できていない」
などの定性的評価を行う方法であるが、評価レベルの基準の設定が難しい等の問題がある。
3)数量的な把握
取組結果を定量的に把握する手法であり、実行分野の評価に適している。
評価手法としては、上記の評価手法を比較し、取組の到達点が明確にできること、前回評価と比較した進捗状況の把握や他の事業者との比較が可能であることなどの特徴をもとに、段階評価の手法を採用することとした。
(2)評価結果の集約化
個別の評価結果をもとに取組み全体を集約し評価する手法や、項目ごとに重要度(優先順位)を設定して評価する手法についても検討した。
1)点数化
段階評価において達成したレベルに応じて点数を決定し、到達レベルについて点数評価する手法であり、点数化を行うことによって、個別項目の評価を集約して評価することが可能である。
【点数化の例】
・パフォーマンスレベルが3段階で設定されている場合
例えばレベル1=1点
レベル2=2点
レベル3=3点と設定 |
2)重み付け
事業者の経営方針や環境方針に沿って評価項目ごとに重要度(優先順位)を設定する手法であり、点数化等他の手法と組み合わせることによって、事業者の特性を加味した評価や総合的な評価が可能となる。
【重み付けの例】
・重要度を3段階(A:最も重要、B:重要、C:普通)に設定
・各段階に、加重係数を設定(例A=3、B=2、C=1)
・重要度を加味した点数評価が可能である。 |
評価結果を集約化するためには、点数化や重み付けを行なうための客観的な基準が必要であるが、現時点では客観的な基準を作成するだけのデータに乏しい。このため「推進マニュアル」では、集約化は行わないこととした。
(3)到達度レベルの設定
チェックリストの各項目の到達度レベルについては、各評価項目ごとに、次の評価基準により3段階のレベルを設定した。
チェックリストにおけるレベル基準
このチェックリストでは、こうした段階評価の考え方を取り入れ、チェックリストの各項目について取組レベルを3段階で示すことによって、さらに高いレベルの取組を目指すためには次にどのような内容について取り組めばいいかなど、取組の改善・見直しにも活用が可能である。