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3.ナイトロックスの長所・短所
(1)長所
 [1]空気潜水より、同深度で無減圧潜水時間が長くなる。
 [2]空気潜水より、同深度で窒素酔いにかかりにくい。
 ●アメリカの心理学者の多くは、ナイトロックスは窒素酔いを顕著に減少させることを信じていない。高濃度窒素ガスによる窒素麻酔効果と、高濃度酸素ガスの麻酔効果と差異がないのではないかと云われている。
 ●一部のアメリカのプロダイバーは、エアーダイビングとナイトロックス・ダイビングを比較し、窒素酔いの減少効果を認めていない。
 [3]反復捜索時、水面休憩時間が同深度の空気潜水時より短くて良い。業務間ガス圧減少時間が短くなり、反復潜水を長くすることができる。
 [4]潜水中空気潜水に比べ呼吸が楽で、疲れない。
 [5]潜水後、疲労感が少ない。
 ●疲労感について歴然たる確証はない。心理効果で「ナイトロックス潜水は快適である!」との暗示効果かもと言う人もいる。
 [6]空気潜水より、潜水中の呼吸ガス消費量が減少する。(約10%ぐらい。)
 [7]スポーツダイビングにおいて、空気潜水と同じ考え、ナイトロックスを使用すれば安全サイトであるとの意見もある。(等価茎潜水深度計算による、潜水深度補正を行わない。)
 [8]アメリカのAmerican Nitrox Divers Intemational(ANDI)は「NITROX」(窒素78〜50%+酸素22〜50%)を「Safe Air」と定義し、スポーツダイビング・安全潜水用空気として使用普及に努めている。
(2)短所
 [1]ナイトロックスは空気より酸素濃度が高いため、通常の空気潜水では起こらない水深で、「酸素中毒」の危険性が発生する。使用するナイトロックス・ダイビングガスの「酸素濃度(パーセント)」によって、「酸素中毒・危険水深」を事前に確認してから潜水する必要がある。
 [2]最大潜水可能深度が空気潜水より浅くなる。空気潜水の最大潜水安全深度50mに対し、ナイトロックス・スポーツダイビングは約30mが安全であろう。
 NOAANITROXIは最大130フィート(39.4m)
 NOAANITROXIIは最大100フィート(30.3m) と決められている。
 [3]空気よりナイトロックスの方が価格が若干高い。
 [4]特別なレクチャーを受けなくてはならない。(ナイトロックス・スペシャリティーコース受講が必要。)
 [5]若干のナイトロックス用器材の準備が必要である。
 [6]現状では、どこでも容易に入手できない。








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