8.結果
(1)ドルフィンキック
流速を1ノットとしたが、位置(コース)により流速が異なった。結果を図2-1に示す。負荷時間は、約10分としたが、可能な限り続けるように支持し、最大状態に達した時点で中止することとした。対象者4名中のSS30は8分経過時で中止し、心拍数が180拍/分であった。対象者IH33は10分の168拍/分、TKは10分20秒の125拍/分、そしてTA29は12分の190拍/分で中止した。
(2)平行潜水
50mの平行潜水は問題なく全員完泳した。約1分のゆっくりした速度で泳ぐように支持した結果、56〜72秒の間で行われた。心拍数の変化は88〜159拍/分の範囲を示し、特に潜水徐脈の傾向は認めなかった(図2-2)。
(3)垂直潜水
水深10mまでの潜水が可能か、また潜水徐脈が出現するかを調べるために、マスクと水着だけでの潜水とし、潜降に20秒、10mの水深に20秒、浮上に20秒の計1分間の潜水時間とした(図2-3)。水温は28℃であった。対象者のTA29とIH33の心拍数は100拍/分以上を維持していた。AK28とTK33は10mに到着後から心拍数の減少を認めた。SS30は10m到着後の15秒から心拍数の減少が認められ、浮上直前には44拍/分まで減少し、潜水徐脈の傾向が現れていた(図2-4)。
図2-3 10mまでの垂直潜水