第2章 調査研究内容
2.1 メンタルプランニング作業部会実施内容
海難救助業務従事者は、常に厳しいトレーニングや実務経験の積み重ねに加え、強い使命感と職業上の責務を担って業務を遂行している。
その一方で、近年、災害や犯罪等での救助活動者の精神的な影響が着目されてきている。
我々が調査した平成11年度に救助活動従事者(特殊救難隊員)の精神的健康状態に関する特徴について分析した結果では、イライラの状態、抑うつ感、不安感というストレスフルな状態が認められた。これらの現象は、自己に対する自信のなさ、並びに職務に対する行動判断力の不足が生じ、さらに蓄積されることによって慢性的疲労感や気力の減退感に結びつく可能性が示唆された。
そこで、特殊救難隊員のストレスフルな状態からの緩和を目的に、リラクセーション療法を取り入れ、その効果と継続性について介入研究を行った。調査結果については、「特殊救難隊のメンタルマネジメントに関する研究」に示すとおりである。