(2)アセアン・エクスプレス号船内暴動事件
平成12年8月4日、午後3時5分、シンガポール船籍貨物船アセアン・エクスプレス号(10,727トン)から、海上保安庁第11管区本部に、那覇の西北西330キロで船長が船員から暴行を受け重傷を負ったとの救助要請があった。旗国シンガポール政府の要請を受け、負傷者の救助と暴動の沈静化を図るため、巡視船4隻と航空機5機が出動。同船を宮古島に向かわせ、時化の中、午後7時58分から5日午前1時58分までに、武装した海上保安官約30人がヘリコプターと警救艇から乗り込み、頭部打撲、左腕骨折の中国人船長を警救艇へ収容、巡視船で5日午前1時50分、宮古島へ運んだ。一方、暴動をおこしていた中国人乗組員9名全員の身柄を確保し、9名は乗組員によって船内に隔離され、同船は5日午前7時10分にマニラに向けて航行を開始した。調べによると、日頃から船長と対立関係にあった9名が、船内での飲酒を注意されたことから、船長に対しナイフ、鉄パイプで暴行したという。