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1.3本年度調査の実施内容
(1)砂浜海岸環境調査マニュアルに関する基礎的検討
1)砂浜海岸環境調査マニュアル(案)策定への現況整理
 平成12年度成果に基づき、砂浜環境の現況を再整理し、市民団体等の実施を想定した「砂浜海岸環境調査マニュアル(案)」に盛り込む構成要素を整理した。なお、平成12年度調査では、砂浜の地形と潮間帯付近の生物相について特に注目したが、本年度調査では調査実施主体として一般市民を想定したことから、一般になじみやすい陸生の生物も検討の対象とした。
2)「砂浜海岸環境調査マニュアル(案)」の位置付の検討
 砂浜環境に関する基本的な情報が十分ではないことと、気軽に観察ができる内容とするため、マニュアルのイメージを“砂浜域における生物相調査の手引き”とし、これにより、砂浜環境保全に関する“啓蒙”にも資するものとすることを目指した。
3)調査実施主体の設定
 調査実施主体は、一般市民による調査・観察を想定した。具体的には、“小学校低学年”から“専門家を含む任意団体”までの広い範囲を想定できるが、当面は、ある程度生物や環境に関する知識・経験を有する団体を想定して作業を行った。そのうえで、1.3(2)4)項の実態把握結果に基づいて、対象範囲を絞り込んだ。
 
(2)マニュアルの策定と現地への適用
 上記(1)項において整理した砂浜海岸に関する情報を基に、マニュアル案を策定し、実際の海岸に適用し、調査手法の不具合を検討することにより再検討を行い、調査マニュアルとした。
1)簡易調査手法の事例の検討
 「マニュアル」を作成するにあたり、すでに自然環境を調査する手引き書として整理されている書籍あるいはマニュアルなどを収集し、砂浜海岸調査マニュアル作成の際の参考とした。
2)マニュアル構成案及び項目と方法の検討
 平成12年度研究の「調査手法に関する方向性・課題」において整理したように、専門家以外の一般市民が、砂浜の海岸を調査することにより、砂浜海岸の基礎的な情報を収集・蓄積していくことが可能となる。このためより簡便でわかりやすく、日常的に手に入る道具を用いて調査・観察ができる手法について検討した。
3)砂浜海岸環境調査マニュアル素案の作成
 上記1)、2)項の結果を受け、マニュアル素案を策定した。
4)現地適用の検討
 既往のデータベース、ホームページ等により、海浜において活動を行っている団体の概況を整理した。
 
 ○「平成13年度版環境NGO総覧」(財)日本環境協会刊
 ○web検索による調査などによる
 
 上記の結果に基づき、1.3(2)3)で策定したマニュアル素案に対して、自然観察等の活動を行っている民間団体に、実際に利用する場合の不具合・問題点等について、聞き取り調査を実施し、マニュアル素案の改定を行なった。
 マニュアル素案の改訂版について、市民団体に協力をしてもらい関東近傍の砂浜海岸において調査を行い、実行に当たっての問題点の有無を確認し、実施可能性について検討し、マニュアルを確定した。
 
(3)まとめと課題
 一般市民が実施出来る「砂浜海岸環境調査マニュアル(案)」により調査・観察したデータの活用策について、基礎的な方向性を提案した。
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図1.1 調査の流れ








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