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砂浜環境調査票(地形編)の記入上の注意とヒント
注14  【調査する砂浜の範囲】
調査する砂浜の範囲を決めます。範囲は水際線方向の距離(浜の長さ)と水際線に対して垂直方向の距離(浜の奥行き)で決めます。
長さはメジャーを使って計測するのが原則ですが、歩幅を測って、歩いた歩数で決めてもよいでしょう。
調査する場所が決まったら、全体のスケッチをしましょう。観察風景のイメージは次のページの図に示すとおりです。
チェック: 家で歩幅を測っておきましょう。普通に歩いた時の1歩が60センチで、歩いた歩数が200歩なら、その距離は約120mになります。
注15  【砂浜の勾配】
砂浜の傾斜を測ります。砂浜を見渡すと、漂着物が帯状に流れ着いている場所があると思います。この線の陸側と海側で測定しましょう。次ページの図に示すとおりです。
勾配を「度」で記録するには少々複雑な計算が必要です。浜の水平距離と高さを測って記録しておくようにしましょう。測り方は図のとおりです。
水準器などがあるときちんと水平距離が測れますが、ない場合には沖の水平線などを見ながらなるべく水平になるようにして測定しましょう。
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注16  【海底の様子】
目視観察で、遠浅の海か急に深くなる海なのかを記録しましょう。波が岸近くで砕けている浜は急深の海岸で、離れて砕けている浜は遠浅の海になっています。わからない場合には付近の人に様子を聞いてみましょう。
注17  【水際の様子】
水際線付近の地形がどのような形になっているのかを記録します。
砂は波や風によって運ばれて移動します。この移動の大きさは砂の粒の大きさによってもちがいます。波打ち際には粒の大きな砂や小石が集まった場所を頂点として図のようにギザギザの地形ができあがることがあります。
この模様を「ビーチカスプ地形」と言います。
波打ち際を観察してこういう地形があるかどうかを観察します。
注18  観察して気がついたことを記録しておきましょう。
注19 【調査した砂浜海岸のスケッチ】
スケッチの例を示しました。参考にしてください。
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この図では防潮林の柵の角にあった「看板」を基準点にして距離を測り砂浜をスケッチしています。看板から漂着物の多い付近までの距離、水際までの距離や基準点と基準点の距離などを測定し記録します。距離は歩測で測っても構いません。
「勾配」は勾配を測った場所、「気温」は気温を測った場所に印を付けます。概略の位置で構いません。
このほか、川の水深や防潮林の大きさ、まわりの土地利用なども記録しておきましょう。
マーカーなどを使って表現するとわかりやすいです。

 
調査から帰ってきてから調べておくこと
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調査から帰ってから調べておくことの記入上の注意とヒント
注1  【調査した日の潮位】
新聞や市販の汐見表で満潮時間、干潮時間を記録しておきましょう。
また、調査 観察をする前にこれらの情報を整理しておき、海水面が最も低くなる干潮時間に調査するのもいいでしょう。
注2  【調査した砂浜の全体の長さ】
地形図や市販の地図を元に、調査した砂浜の全体の距離を測って記録しておきましょう。縮尺によってスケールが違いますので、注意してください。
チェック :1/10,000 地形図の場合 1mm=10m
      1/25,000 地形図の場合 1mm=25m
      1/50,000 地形図の場合 1mm=50m
注3  【調査した日の市町村の最高気温 最低気温】
新聞やインターネットなどを検索して、調査した砂浜のある市町村の一日の気温を書いておきましょう。








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