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参考資料(5) 調査委員会における主な討議事項
(1)第一回委員会での主要意見
1)モデルルートの抽出方法
 ○モデルルートの抽出方法は、各地域における地元の受け入れ体制も考慮する必要があるので、住民活動の状況を踏まえて決めるべきである。
2)モデルルートのテーマ・ネーミング
 ○歩く時には、歩く理由やテーマが要る。
 ○六甲山や金剛山を何回も登る人は、登ること自体が目的となっており、直接的な楽しさとはやや異なる。
 ○モデルルートの中には日本的な「なぎさ」風景を代表しうる場所に設定できないか。
 ○100年かけて育てる場所もある。
 ○ヒマワリをポートアイランドで栽培していたが、海岸では土地が広いので、もっとスケールを大きくした方がインパクトがあるのではないか。
 ○モデルルートの特徴を表すテーマ性を明確にした方がよい。
 ○せんなん里海公園では、カニをテーマに公園利用を考えているので、それを上手く使うとよい。
3)モデルルートの性格
 ○水際の一本みちだけでなく、逃げ道や寄り道を考えておく必要がある。
 ○すべてをユニバーサルにする必要はない。
 ○「なぎさ」だけにこだわらず、まち中の資源を活用して魅力を向上させることが大切である。
 ○六甲山系のように複数のルートと結ばれていると面白くなるので、複数からアクセスできるようなルート設定が大切である。
 ○駅と海とを結ぶルートの魅力化が大切である。
 ○トレイル上にはトイレをつくりすぎない方がよい。
 ○ループ状の行き帰りが異なるトレイルがよい。また、夜の神戸の魅力も加味し、行き帰りを時間差で考えることもあり得る。
4)ワークショップヘの期待
 ○自然型・都市型の「なぎさ」デザインコードをワークショップなどで出してほしい。
 ○ユニバーサルデザインを採用すると、路面が固くなる傾向があるが、膝などにやさしい柔らかい路面も選択できることが重要だ。
5)ワークショップの開催地
 ○ワークショップの開催予定地案は、住民からやや離れた場所が多い。市街地と近接した開催地も要る。
(2)第二回委員会での主要意見
1)ワークショップについて
 ○ワークショップに集まったのはどのような人か。すごくまじめな意見がでているが、普段歩く人は、ワークショップででているようなことは考えないのではないか。
2)海辺の市民利用向上策について
 ○活動のメニューが必要ではないか。
 ○「なぎさウォーク」参加者へのアンケートで、〈トイレ、案内板がある〉というのが重要という意向が強いが、これはどういうことか。
 ○トイレをやたらつくるのは、まずい。地図にここにあるということがわかればよいのではないか。
 ○ワークショップででてきている意見を、そのまま利用向上策に入れてよいのか。例えば、あずまや、ベンチ、トイレなど。どういう背景からトイレなどが必要という意向がでているか、という話がいるのではないか。
 ○バギー型の車イス貸し出しシステムと介助システムのように、砂浜でも遊べるというようなソフト展開が重要である。
 ○海辺での障害者対応は、街中のビルとは違った考え方でやるべき。基本的には人間の活動で解決していくのがよい。施設型でなく、サービス型で。
3)ガイドマップについて
 ○もっと楽しいものにすべきではないか。食べ物、遊びなどの情報、まちの物語とかストーリー、ソフトの仕掛けが重要。
 ○マップをどこに置くのか。どういう使い方をするのか。シリーズものにしたらどうか。
 ○地区別に、コンパクトなサイズで作るのがよい。
 ○イベント情報、環境活動情報などがあると参加しやすい。
 ○店や利用可能施設の情報は、できるかぎり入れた方がよい。
 ○必要な情報とあまり必要でない情報は、トーンを変えて表現するような工夫もしたらどうか。
 ○ルートにテーマ性がほしい。
 ○完結型か拡張型かで、マップの構成が変わる。ホームページに載せる場合には、最初のヘッダーの出し方が問題となる。
 ○漁港では買い物ができるような情報があるとよい。
4)トレイルのルート、デザイン、整備について
 ○できるかぎり新規の整備でなく、既存のルートで現実的なトレイルを考えた方がよい。迂回ルートも重要だ。
 ○イギリスの海岸には名前の入ったベンチがある。こういう仕掛けがあるとよく使われる。
 ○デザインコードについては、直線や直角でなく、「揺らぎ」が必要である。
 ○縁をぼかす、連続体の設計、分断要素をなくす努力がいる。
 ○長期的な環境の中で少し柔らかくしていくことなど、地区全体の魅力化についてももう少し考えてはどうか。
 ○100円バスなどの工夫によって、海辺へのアクセスを改善することも考えられる。
 ○ごみには、2種類あるが、来た人が落とすごみは、ゴミ箱をおかずに持ちかえってもらう。漂着するごみは、クリーンアップの取り組みとして利用したらどうか。
 ○四季に応じた魅力づけがほしい。花、スポーツ、たこ揚げ、綱引き大会など。
(3)第三回委員会での主要意見
1)ガイドマップについて
 ○マップは歩く人を対象としているので、持ち易さの視点をもう少し加えたらどうか。
 ○同じマップでも配布する地域によって使われ方が異なるので、そうした地域性を考慮した方が良い。
 ○歩く人を対象にしているので文字数はもっと減らすべきである。
 ○ベースマップは主な道路が入っていれば、ほとんど分かるのではないか。
 ○可能であれば海を綺麗に書いた方が良い。どこまで近づいたら、海が見えるのか分かるぐらいに海(なぎさの線)を入れた方が良いのではないか。
 ○駅を中心に、駅から海辺に行き駅に戻るというショートコースを増やしてはどうか。
 ○マップ全体の距離は、企画か何かが無いとおそらく連続しては歩かない。ある区切ったエリアで歩く人が多いと思うので、ドロップアウトするルートを示した方が良い。
 ○視点場を効果的に使ってはどうか。ここまで歩けば景色の良いところに出られる、といった歩行者の目標になるので、ある程度のピッチでプロットすれば良いと思う。
 ○登録資源はさまざまな機能で分類されると思うので、各資源がどのような機能を持っているか色などで示すと、視点場と同様に、歩行者の目標になるのではないか。
2)今後のガイドマップづくりについて
 ○これは20ルートの2つしか示していない。おそらく20ルートもあれば、いろいろなマップが出来てくるので、残りをどうつくるかという話が重要である。
 ○マップづくりのスポンサーを現在検討中である。
 ○道路地図のように、ルート上にうまく企業が乗っかってくると、名前は出せなくても印ぐらい示せるので、それでお金を出してもらう方法もあるかもしれない。
 ○マップのベースをPDFのような形でHPに載せて、広告を入れてもOKといったことを行えば、地域性など色々な工夫の余地などが見えてくるのではないか。
 ○他の地域でもおもしろいところがあり、それぞれ特徴的なモノがあるから、このマップを配って、地域独自で考えてもらうと良いのではないか。
 ○現在のマップは駅が起点になっているが、田舎では駐車場が起点の基本になる。マップを駐車場に置き、パークアンドウォークの形で活用されれば環境面にとっても良い。
 ○20ルートあることに大きな意味があり、20ルートのうちで、作りたいと言ってきた自治体にベイが何らかの支援をするという仕組みが出来ればおもしろい。見出しなど大きな枠組みはベイで決めて、中身は自由に考えるというシリーズものにすると良い。
3)報告書のとりまとめについて
 ○ワークショップや市民活動などを通して利用向上策を作ったという報告書なので、結論の部分にもそうしたことを入れてはどうか。情報をキャッチする、そして情報の源は市民にあるなど書き方はいろいろとあるので、もう少し強く押し出してはどうか。
 ○成果を整理して、成果の実態をよく伝えるためのまとめがいるのではないか。そして、成果を消化するための次のステップ(今後の展開)を具体的に示す必要がある。
4)今後のベイ機構の展開について
 ○今までは、ベイと市町村や市民とはお互い顔の見えにくい存在だったが、段々と見えるようになってきている。もっと市民や自治体との顔の見える関係を作ることが大事。
 ○資源登録に加えて、今、祭りやイベントなど海辺での活動を登録していくことを検討している。また、市民活動団体のネットワークを作ろうとしている。
 ○しかし、NPOは本当に特徴的な取り組みを行い、自分達の活動には誇りを持っているので、他の組織の活動にはあまり関心を示さない。そんな中で、みんなのベクトルを同じ方向に向ける方法、ネットワークを組んでたまに集まってはいるが、次の展開がよく分からない。
 ○琵琶湖の場合は、世界湖沼会議や水フォーラムなどを行っている。ベイもそういった世界フォーラムのようなものを、どこかで捕まえなければならないかもしれない。
 ○抱えている問題意識のような所で共通する部分があれば、情報共有の形で歩み寄るのではないか。
 ○大阪湾のおもしろい所は、海流が廻っていることだ。そのため、海浜植物の潮流散布で見ると散布系統は一体化している。そんなものを一度キャッチコピー的にしてはどうか。海浜植物などは良い題材になると思う。
 ○ベイが出来るとすれば印籠ではないか。ベイエリア全体の大連合体をファジーに持っている組織が、自分達の行っている活動を支援している、あるいは認知しているというお墨付きが出来る。








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