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2.セミナー議事録
2.1 開会式(司会:VINAMARINE ズン国際局長)
 ご来賓の皆様およびご列席の皆様
 
 このたび、ヴィエトナム運輸省から許可がおり、ヴィエトナム海運総局(VINAMARINE)は海外運輸協力協会(JTCA)の協力により、本日、ハロン湾における海上安全管理セミナーを開催することとなりました。
 本セミナーの目的は、まず皆様にクアンニン・ハロン地域の海上安全管理・開発について現状を把握していただくとともに、ヴィエトナム関係機関の皆様にその対策について検討していただくことにあります。
 
 まずセミナー開催の前に、ご出席いただいたお客様と代表者をご紹介したいと思います。
 日本側は、在ヴィエトナム日本大使館 魚谷二等書記官、横浜国立大学池田龍彦教授、JTCA 山下哲郎理事長、および他の代表者です。
 ヴィエトナム側は、ヴィエトナム運輸省 ドアン・スアン・ヴィエン国際局長、VINAMARINE ヴオン・ディン・ラム副総裁、およびヴィエトナムの関係機関と海運総局の代表者です。
 
 では、これよりセミナーを開催したいと思います。ヴィエトナム運輸省ドアン・スアン・ヴィエン国際局長からご挨拶を頂戴いたします。よろしくお願いします。
(1)ヴィエトナム交通運輸省国際局挨拶
ドアン・スアン・ヴィエン ヴィエトナム交通運輸省国際局長
 
 横浜国立大学 池田龍彦先生、海外運輸協力協会(JTCA)山下哲郎理事長、及びご列席の皆様
 
 2010年までのヴィエトナム港湾システム全体開発計画につきましては、ヴィエトナム運輸省及びヴィエトナム海運総局(VINAMARINE)は首相決定第202号に従い、ヴィエトナム経済発展のため主要拠点港湾の整備を実施しております。特に現在、港湾システムにおいてヴィエトナムの輸出入貨物量が年々大幅に増加しております。
 
 現在ですが、VINAMARINEは日本の政府開発援助(ODA)の下で、クアンニン省のカイラン港拡張建設プロジェクトを進めております。このプロジェクトは2003年に完成予定です。
 
 港湾地域経済開発と同時に、ユネスコ(UNESCO)に指定された世界遺産・ハロン湾の環境保護問題は、従来政府、関係省庁、地方政府機関及び国際組織から関心を引いております。貨物量及び船舶の増大により、海上安全管理の確保は、非常に重要と考えられます。
 
 さる9月10日から21日までの間、海外運輸協力協会(JTCA)からヴィエトナムに専門家を派遣していただき、ハロン湾における港湾開発活動及び海上保安事情について調査を実施されたと伺っております。本日、ヴィエトナム運輸省の許可を得て、VINAMARINEはJTCAと協力させていただき、本セミナーを開催することとなりました。
 
 セミナーの目的ですが、前回実施した、ハロン湾における港湾開発活動及び海上保安事情の調査結果の報告、ハロン湾をはじめとするクアンニン省地域の海上開発と同時に海上安全と環境保護問題に関する政府の措置・対策を取り上げ、これらの対策に対して、日本側及びヴィエトナム側のセミナー出席者間で討論をすることです。
 
 本セミナーを通して、皆様と港湾開発及び海上安全管理における経験について討論させていただくことを切望いたしております。また、JTCA調査団の報告に対して、ヴィエトナムの関係機関から貴重なご意見や評価をいただきたいと思っております。
 
 ヴィエトナム運輸省代表として、ハロン湾をはじめ、ヴィエトナム全体の港湾開発及び海上安全管理に関する調査報告では様々なご協力をいただきましたJTCA殿に対して、大変感謝申し上げます。そして、ヴィエトナム側の出席者に対しても感謝申し上げます。
皆様のご健勝とセミナーの成功をお祈りいたします。
(2)在ヴィエトナム日本大使館挨拶
魚谷憲 在ヴィエトナム日本大使館二等書記官
 
 Doan Xuan Vien交通運輸省国際関係局長殿、Vuong Dinh Lam海運総局副総裁殿、ヴィエトナム側からのご出席者の皆様、又日本側からのご出席者の皆様、本日はヴィエトナム交通運輸省と日本の国土交通省の協力によるハロン湾における海上交通安全管理セミナーにお招き頂きありがとうございます。開会にあたり一言御挨拶申し上げます。
 
 我が国は1992年のヴィエトナムに対する政府開発援助を再開して以来、ヴィエトナムの経済発展のため、経済の動脈とも言うべき運輸交通インフラの整備を支援して参りました。
 特に海上交通につきましては、外国との貿易などを通じて豊かな国民生活と経済発展を実現する運輸交通インフラとしてカイラン港、ハイフォン港、ダナン港と言った主要の港湾、沿岸無線局の整備、船員教育などを通じて支援してきたことは、皆様よくご存じの方かと存じます。
 
 本日のセミナーのテーマは、海上交通の安全管理であると伺っております。後程、専門家の方々から詳しいお話があるかと存じますけれども、海上交通はヴィエトナムと同様に国土が細長く長い海岸線を要する日本においては、第二次大戦以降の急速な経済発展を支える重要な交通機関であり、又そのインフラである港湾整備と並行して航行の安全対策や環境対策などを進めてまいりました。又その間非常に多くの知見を得てきてまいりました。
 本日のセミナーより発信されます情報は21世紀のヴィエトナムの経済発展と豊かな国民生活実現に大きく寄与するものであると確信しております。
 
 最後になりましたが、本セミナーの成功及びご出席の皆様のご健康、ヴィエトナムと日本の友好関係が益々発展することを祈念致しまして、私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
(3)(社)海外運輸協力協会理事長挨拶
山下哲郎 (社)海外運輸協力協会理事長
 
 ヴィエトナム運輸省ヴィエン国際局長、 VINAMARINE ラム副総裁、日本大使館魚谷書記官、及びご列席の皆様。
 
 ハロン湾海上安全管理セミナーの開催に当たりまして、主催者JTCAを代表して一言ご挨拶申し上げる機会を得ましたことは光栄かつ大きな喜びであります。
 最初に共同主催者として、本セミナーの開催に多大の御協力を頂きましたVINAMARINEの関係者に感謝申し上げます。あわせまして、セミナーに先立って現地調査を行いましたが、それに対して大変ご尽力頂いたクアンニンポートオーソリティをはじめ関係者の方々にも御礼申し上げます。
 また、本セミナーに参加頂きました皆様、特にわざわざ、ハイフォン、ハロンから参加頂きました関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
 本日のセミナーの目的は、今後増加することが予測されるハロン湾における船舶の航行の安全を確保し、海難事故を防止するために必要な措置、方策を検討し、共通の理解を持つことを目的とするものであります。
 申し上げるまでもなく、国の経済発展のために港湾の整備はきわめて重要でありますが、港湾に出入する船舶の安全は同様に重要であります。
 安全が阻害され、万一、海難事故が発生すれば、単に船舶と輸送の損害にとどまらず、港と海の環境にも被害をもたらします。
 ハロン湾は、複数の港湾を有し、現在でも、貨物船のほか、観光船や漁船も多数航行しており、世界遺産として登録されている美しい海を保全するためにも、安全航行の確保と事故対策は極めて重要であり、緊急に改善整備することが必要であると考えます。
 JTCAは、開発途上国の運輸部門の開発を支援する国際協力を推進することを目的として、国によって設立された非営利団体であります。会員は日本で有数の経験と実績を持つコンサルタント会社及び組織で構成されております。
 JTCAは、過去数年に亘り、ヴィエトナムの運輸、交通分野の開発整備をテーマとしたセミナーを開催しております。ヴィエトナムとは密接な関係を築いてまいりました。
 JICAがヴィエトナムで実施したマスタープラン調査、フィージビリティスタディーなどの開発調査はJTCAの会員会社が参加しており、そのノウハウをヴィエトナムのためにお役に立てております。
 JTCAは直接又は会員コンサルタントを通じて、ヴィエトナム政府の要請する技術協力又は資金協力が早期に実施採択することを促進する活動を行っております。
 本日のセミナーもこの活動の一環として行うものであり、ハロン湾における海上航行管理について、現状の問題点の説明と改善、整備すべき施設等の提案を申し上げ、ヴィエトナム政府のお役に立ちたいと思っております。
 本日基調講演をして頂きます池田教授は、港湾インフラの整備から海上航行安全に及ぶ幅広い分野がご専門であり、理論についても実務についても日本を代表する海上安全に関する権威者であります。また、ADBやJICAでのご経験もあり、ヴィエトナムの事情にも精通している専門家であります。
 午後に発表を行う菅野氏は日本のコーストガード(海上保安庁)において長い経験を有している海上安全の専門家であります。本年9月に現地で調査を行い、豊富な経験をもとに的確な分析と適切な提案を行うものであります。
 お二人のプレゼンテーションの後に、ヴィエトナム側と日本側の意見交換が行われる予定でありますが、実り良きものとなりますようにお祈りしております。
 JTCAとしては、本日のセミナーの結果を受けて、プロジェクトの実現に向けて一層のご協力をする所存であります。
 
 本セミナーが皆様のご協力により、所期の目的を達成し、ヴィエトナムの海上管理の改善、整備に貢献することを希望して私の挨拶とします。ご清聴有難うございました。








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