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3.4 組織
(1)都市公共交通行政の組織体系
 チッタゴン市の都市交通行政に関連する機関および業務内容を下表に示す。各機関の連携を図るため、チッタゴン市長はインフラ整備にかかわる組織により構成される委員会を画定期的に招集している。但し、この委員会では都市交通を常に専門とするわけではないが、マネジメントに関する意見交換がなされる。委員会の委員には、下表に示した組織の代表のほかに、港湾業務、雨水・下水処理業務に関連する組織を含める。
表3-8 都市交通に関連する組織概要
公共機関・公営団体
組織 業務内容
CCC: チッタゴン市役所。
(Chittagon City Corporation)
都市行政を行う行政府。主に、市民の福祉サービスを担当するが、交通行政に関しては都市内道路、道路照明、信号、バス停留所等の整備/維持管理、及び、一方通行規制、駐車規制の計画・実施など、広範囲の交通行政を担当する。主に、専門のエンジニアが所属する交通部が担当する。
BRTA
(Bangladesh Road Transport Authority)
国の運輸通信省に所属する行政機関であり、チッタゴン市内には支局がある。BRTAは路線認可、車検制度の執行、自動車運転免許の発行管理を行う組織である。BRTAは歴史が浅く、警察や運輸通信省、BRTCが行っていた業務を再編するために1991年に発足した。現在でも人員不足や財源不足が慢性的である。
CMP: チッタゴン市警
Chittagon Metropolitan Police
CMPはチッタゴンにおける法律や条令の執行に責任を負うほか、交通担当執務官Deputy Commissioner (Traffic)の下で交通管理においても役割を持つ。また、市内での路側車両検査時には、DOEやBRTAと連携して執行に当たる。
BRTC: バングラデシュ交通公社
(Bangladesh Road Transport Corporation)
BRTCは政府が所有する公営企業で、都市間・都市内の旅客輸送(バス輸送)、貨物輸送業務を行っている。ターミナル・デポ施設などを保有し、保有車両の運行や車両管理を行う。大型車の運転技能訓練センターも保有しており、運転手の要請も実施している。
CDA; チッタゴン開発公社
Chittagon Development Authority
CDAはインフラや土地利用(住宅地、商業地、工業地)の開発・整備計画業務を担当している。都市交通分野では道路、バスターミナルの整備に責任を持つ。
DOE: 環境庁
Department of Environment
DOEは環境と公害防止に関連するすべての政策を策定、実施する。チェンマイ支部では大気汚染のモニタリング、CMPと連携して車両の排出ガス汚染度調査を実施している。中央政府のMinistry of environment and forestに所属する機関である。
民間機関・団体
組織 業務内容
CBOA: チッタゴンバス事業者組合
City Bus Operators Association
民間バス事業者の組合。1953年創立で50年近い歴史をもち、事業者に与える影響が強い。運行中のバス台数の合計は約350台になる。多くは路線申請をしていない違法事業者である。
FPC: チッタゴン計画協会
Forum of Planned Chittagon
チッタゴン市内の有力企業や大学・諸団体に所属するインテリ層が組織しているNPOである。社会資本整備に関してさまざまな提案をしてきたが、現在の活動の対象は交通施設整備であり、独自に都市交通計画をレビューしセミナーを開催している(2001年11月6日)。JTCAに対しても合同セミナーの開催について提案した。
3.5 バス事業計画
(1)担当行政機関
 BRTAがバスの路線運営に関する承認、免許の発行を行う
 
(2)計画策定の法的背景
 1961 Motor Vehicle Act
 
(3)都市交通の将来計画、交通量の見通し、利用者数の見通し
 バス事業のマスタープラン、将来需要はCCMP1995では示されていない。特にバス輸送需要は算定されていない。
 
(4)事業者に対する路線割り当ての方法
 BRTAの分離以前はBRTCが路線管理を行っていたため、自動車法に基づけば、BRTCはBRTAに路線申請する必要がない。
 
(5)料金設定
 料金は中央政府により決められている。対距離制である。
 
(6)料金設定に関する基本的考え方
 料金設定に関しては中央政府が実施しているため、今回の調査では把握できなかった。








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