二つの分会誕生紹介
香川県地区小型船安全協会
副会長 田村 昭
皆様には健やかに新春をお迎えになられた事とお慶び申し上げます。また新年初頭にあたり、今年こそはと抱負を持たれておられる事と存じます。
振り返ってみますと昨年は世界的経済不況で終始しました。事件としては一月一三日の中米エルサルバドルの大地震。三月はタリバーンによるアフガニスタンのバーミヤン遺跡の二つの大仏破壊。四月一日米中紛争のはじまりか?と心配した、南シナ海上で、アメリカの電子偵察機と中国の戦闘機の空中衝突、中国機は墜落、米機は中国海南島に緊急着陸。九月十一日ニューヨーク世界貿易センター、ワシントン国防総省の同時多発テロ発生、イスラム原理主義グループの指導者ビンラディン氏が首謀者と云われる。十月五日アメリカで生物兵器の炭疽菌による死者発生。十月七日は米英軍による、オサマ・ビンラディン氏が潜伏するアフガニスタンヘのテロ撲滅空爆開始等大変な年でした。日本での明るい話題は九月三十日ベルリン・マラソンでシドニー五輪での金メダリスト高橋尚子選手が世界最高記録で優勝。野球ではシアトル・マリナーズのイチロー選手の首位打者、盗塁王、新人王、MVP(最優秀選手)など多くのタイトルを獲得。そして十二月一日皇太子御夫妻にお子様ご誕生!(敬宮愛子さま)とのニュースが流れ、年の暮れに胸ふくらむ思いがした一年でもありました。
それとは、とても比較はできない事ではありますが、私達協会にとりまして誠に嬉しい事がありました。それは愛しい子どもが二人生まれました。一人目が六月に、二人目が九月に、否二つの分会が誕生しました。
六月三十日(日)に会員数(全員新規入会)一五名で大野原分会の設立総会が開かれて高橋勝氏が会長に満場一致で選任され、元気な生声をあげ発足しました。設立にあたっては、当協会の理事(観音寺の西分会長でもあります)藤田和則氏が会合がある度に、県西部で分会ができれば、ほぼ空域がなくなり協会活動が浸透するのになあー!誰か中心となって熱心に活動・世話をしてくれる方を!と云われ、思われて日頃から模索しているとき、地元で高橋勝氏がおられることを知り、「協会の目的、活動内容」等を聞いてもらい、理解をしていただき、共感を得、分会の結成にご尽力くださる様になったわけであります。高橋氏は大野原町で自動車の修理・販売を手広くなさっておられ、非常に多忙にも拘らず時間を割いて藤田氏と共に熱心に地域(香川県の西端から二番目の位置する花稲漁港)の小型船のユーザーの人達に呼び掛け、分会の結成発足をする事ができたわけであります。
私達、志を同じくする海の仲間が増えた事を心から歓迎し嬉しく思っています。
もう一つの分会は丸亀分会であります。会員総数三八名(新規入会三六名)で九月三十日(日)設立総会を開催し、満場一致で竹林正人氏を会長に、その他役員が選出されました。
この分会の設立にあたっては、当協会の海上安全指導員を昭和五二年四月に指定を受け、健康を損なわれ辞退される平成五年四月まで一六年間もの永い間、又昭和六一年からは理事としてご活動いただいた竹林正人氏の多大なお骨おりによるものであります。
生来ボランティア精神豊かな氏は、健康もすっかり回復され、知り合いに呼びかけ、生駒親正が築城した丸亀城や港の景観を損なわないよう、湛甫周辺(陸水両面)の清掃をしたりしていたが、折りしも「小型船舶の登録法」が六月には国会に上程されることになるとの情報もあって、これを契機に現在湛甫にレジャーボートや漁船が雑然と繋留されて、お互いが邪魔になって仕様がないと思っている状態を何とか整然としたものにできないものかと、県港湾管理事務所や関係機関に整備指導をして欲しいと要望してきたが進展しない。それなら先に、今は皆んな顔見知りではあっても余り話しもせずバラバラであるがお互いをよく知り合い理解し合って、周辺の清掃も全員でし、漁船とレジャーボート間のトラブルもない様、自分達でできる事から整った環境を作り、同時に海難事故のない安全な楽しいレジャーを持とう、その為にその第一歩として小型船安全協会に加入し、しっかりした分会を作り、自主管理ができるようにしていこうと云う事で何回も知り合いに呼びかけ今度の丸亀分会の誕生をみたわけであります。竹林分会長には、これからも繋留整備の交渉をはじめいろいろと大変だろうと思いますが私達も応援させてもらいますのでどうか宜敷くお願い致します。
此の様な事で協会にとっても二つの分会が誕生し本当に嬉しい年でした。
新会員の皆様には、みんな海の仲間として、海上で舟が行き合えば、手を振り、声をかけ合い、助け合い、事故をなくし、楽しいレジャーを持ち、心豊かな日を送られます様祈念しております。
最後になりましたが分会結成にあたり、大変なる御尽力を賜りました藤田理事、高橋分会長、竹林分会長、役員の方々又御協力下さいました分会の皆様に心から感謝申し上げますと共に、(社)瀬戸内海小型船安全協会の会員皆様ともども、これからの力強い御活動あらん事を心より祈念申し上げ分会誕生のご紹介を結ばせてもらいます。
●追記● 「分会制度について」
昭和五六年四月の総会に於いて分会制度制定承認可決。
地域に密着、根ざした、きめ細かい運営、活動をし、その輪を大きく拡げていこう。活動は各会員の身近で地域、グループに応じた分会で実施し、皆が参加し易く、各自の意見も吸収、反映しやすいという事で制定発足をみたものです。発足当時の通常会員数三七七名。分会数七分会、(一分会は一五名から八○名程度で構成)総数二三〇名でした。現在は二四分会になり、通常会員数一、〇一二名です。
分会成立要件は会員一〇人以上のグループ・団体であること以外は特に設けず、地域や港、マリーナ毎で何事にも集まりやすい構成であれば良しということです。そして結成当初すぐでなくても、分会内に海上安全指導員が一人以上はいる様にし、分会活動は分会長、役員、海上安全指導員を中心に分会員皆んなで実施活動していく。分会活動は年度初めまでに本会に書類で活動計画書を提出して予算を(助成予算)組んでもらい、年度に入って実施後助成金の交付を受けることになっています。従って協会の活動は、本会の直轄行事と分会行事の二種になり、本会行事と種別的には同じものもあります。分会は分会で独自の海難防止講習会、人命救助訓練、自主安全パトロール、会員相互の親睦連携等を実施しますが、分会に加入できない方や、分会結成までに至らないグループの人達には協会本会から個々に直接連絡郵送しているが、できる限り最寄りの分会に所属してくださる様お願いをしている。