吟剣詩舞だより
神叡流吟剣詩舞道尾張地区会
創立三十周年記念吟剣詩舞道大会
昨秋十月二十八日(日)財団法人日本吟剣詩舞振興会、公認愛知県吟剣詩舞道総連盟、瀬戸市、中日新聞社などの後援により瀬戸市市民会館大ホールを埋めつくして開催されました。
財団会長笹川鎮江先生より心暖まるお祝辞と御祝電をいただき感激の極みでありました。大会は加藤神琳大会副会長の開会宣言で幕が開けられ、会員の合吟、群舞、正師範、宗範、汎宗の吟舞から招待各流会の賛助合吟と進み、河村瀧風大会委員長の開式の辞で正午より式典に入りました。先ず小幡神叡宗家の挨拶にはじまり、ご来賓の増岡錦也瀬戸市長、長江幸彦県会議員、高木残峰財団中部地区連協議長、武田禧洲愛総連理事長、小林潤テイチク吟詠協会会長のご祝辞をいただき、武仲神憲大会会長の謝辞につづいて祝電の披露となり、財団常任理事入倉昭星先生、小倉契秀全朗協会長代行、同三浦瑞宝事務局長ほか各界よりの祝電が紹介され、松原涼風大会副委員長の閉会の辞により記念式典を閉じました。
午後の部は特別企画の上演から。メインである「陶芸吟」が瀬戸市陶磁器センター陶芸教室代表の加藤圭介先生出演による直接五十センチの「陶炎鉢」が鈞に乗って陶祖を讃える絶句二題を吟ずる間に造形され、場内は感動の坩堝となりました。また尾張旭市の無形文化財保持者である谷口保広氏ほかの皆さんによる「棒の手」が、怪我人も出るという激しい立ち回りを律詩の吟にのせて披露されました。
プログラムは招待各流宗家、会長、師範の吟舞が六十二番組と続き、構成吟舞「城」が小幡神叡作詞の「白帝城(犬山城)」を含む九題とともに上演、しめくくりとして高橋菊太郎作詞「古城」を入れた絶句【古城】が小幡宗家によって演舞され、ひきつづいて詩吟音頭(初代小林潤作詞、小幡神叡振付け)の踊りが大ホールを揺るがした後、大会副会長松原静風の閉会宣言で大会の幕を閉じました。(大会事務局)
陶芸吟―加藤圭介先生による「陶炎鉢」の制作
吟道紘仙流祥誠会 中国詩吟の旅
吟道紘仙流宮城県支部は会長奥村紘彩を団長に十一月二日、吟道を学ぶ一員として一度はと兼ねてからの計画でありました中国詩吟の旅に出発致しました。
地獄へ堕ちるか、極楽へ行くか―冥土の入口と言われる鬼城で、中国詩吟の旅一行 |
総勢二十五名、ニューヨーク、ワシントンでの同時テロにも恐れることなく、こういう時こそ文化に関する広い知識を身につけ、心の豊かさを養い、立派な吟詠家になりたいという強い意気込みと大きな夢、そして李白、張継らの詩文をしっかり手に持ち飛行機に乗り込みました。
中国最大の大峡谷三峡下り、甲板にて髪を靡かせ、峨眉山月の歌、赤壁などを次々と吟じ、そして素晴らしい黄鶴楼、白帝城を仰ぎながら一斉に吟じた時には、観光客、現地の人々から拍手喝采をあびました。
たくさんの満足感と中国へのそれぞれの想いをお土産に、尚一層吟道に励むべく心改たに帰路につきました。 (山尾友仙記)
岳陽会創立五十周年 竹末岳陽
吟道六十五周年記念 祝賀吟剣詩舞道祭開催
平成十三年十一月二十五日(日)岳陽会創立五十周年・竹末岳陽吟道六十五周年記念祝賀吟剣詩舞道祭が新装なったアルカスSASEBO(佐世保市三浦町)に於いて盛大に開催されました。
当日は佐世保市長・光武顕様、長崎県知事・金子原次郎様令夫人はじめ吟界から社団法人日本詩吟学院岳風会、財団法人日本吟剣詩舞振興会九州地区連絡協議会、市内名士など七十余名のご来賓が登壇、ご列席の中、定刻午後零時三十分開幕、同時に厳粛な式典が挙行され、佐世保市長光武市顕様、(社)日本詩吟学院理事長・平澤岳漱先生、財団会長・笹川鎮江先生代理財団事務局長・矢萩保三先生、(財)九州地区連絡協議会議長・?群華要先生四名の方々に、激励と称賛のお祝辞を賜りました。
静粛な式典雰囲気の中、弊会記念祝賀祭にお寄せ戴いた笹川会長御作「祝歌」を和服正装の矢萩保三事務局長が詩情溢れる流暢な朗吟発表を披露され心底から感銘と練度の高尚さを覚えました。
竹末岳陽会長挨拶では少年時代から志一貫、曲折を乗り越え、昭和十一年進学のため上京。折しも二・二六事件に遭遇の想出、時同じく、大学在籍のまま、吟界名声高き木村岳風先生の門を叩き、念願の祖宗範直門一期生となり、以来今日に至る人生懐古を述べられた。
式典で祝辞を述べる?群華要財団常任理事
プログラム番組進行では公認長崎県総連加盟団体の参加を含めオール合吟並びに剣詩舞群舞のみの出演でした。全五十一番の最後は当会男子師範合吟の熱演をもって滞りなく終了しました。
ご協賛いただいた藤美会(竹末岳陽会長夫人、藤間勘栄美様の振付指導)中学三年少女二名による「祝舞」並びに特別出演、古典舞踊「兜」の優雅な舞には財団会長笹川鎮江先生のテープ吟によるもので、竹末会長夫人を中心とした七名の藤間門下の熱演は大祭に錦上花を添え二千余名満席会場は最高の感銘と拍手に湧きました。
フィナーレは竹末岳陽会長以下、弊会師範八十名が舞台に整列し日本詩吟学院岳風会平澤岳漱理事長先導による高らかな万歳三唱を以て予定通り十六時三十分閉幕しました。
引続き祝宴披露に移行し祝賀団欒のうち閉会となり相互の健全と明日への躍進を誓って目出度く散会しました。
翌二十六日、平澤理事長他お二方を竹末会長の案内により祖宗範木村岳風先生ご夫妻の分霊を合祀している岳陽会吟魂碑(会員四十柱合祀)に参拝されました。
(岳陽会事務局)
第三十一回少壮コンクール指定吟題
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絶句 |
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1 雨後登楼 |
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釈 絶海 |
2 日本刀を詠ず |
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徳川 光圀 |
3 赤馬が関舟中の作 |
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伊形 霊雨 |
4 常盤孤を抱くの図に題す |
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梁川 星巌 |
5 桜祠に遊ぶ |
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広瀬 旭荘 |
6 新涼書を読む |
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菊池 三渓 |
7 芳野 |
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河野 鉄兜 |
8 出郷の作 |
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佐野竹之助 |
9 京都東山 |
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徳富 蘇峰 |
10 家兄に寄せて志を言う |
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広瀬 武夫 |
11 竹里館 |
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王 維 |
12 芙蓉楼にて辛漸を送る |
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王 昌齢 |
13 黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る |
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李 白 |
14 夜受降城に上って笛を聞く |
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李 益 |
15 胡隠君を尋ぬ |
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高 啓 |
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律詩(特別審査用) |
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1 富士山を詠ず |
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柴野 栗山 |
2 水戸八景 |
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徳川 景山 |
3 磯原客舎 |
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吉田 松陰 |
4 曲江 |
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杜 甫 |
5 梅花 |
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高 啓 |
財団法人 日本吟剣詩舞振興会関連事業予定表(4月)
日時 |
時間 |
大会名 |
開催場所 |
責任者 |
7日(日) |
9時00分〜17時00分 |
全国吟詠コンクール福岡地区予選大会(幼、少、青年、一般一部、三部) |
ももちパレス |
豊島栄陽 |
7日(日) |
9時00分〜17時00分 |
全国吟詠コンクール豊前地区予選大会 |
椎田町文化会館(コマーレ) |
豊島栄陽 |
14日(日) |
9時00分〜17時00分 |
心彰流第37回吟剣詩舞道大会 |
玉村町文化センター
にしきのホール |
金井心彰 |
21日(日) |
13時00分〜17時00分 |
平成14年度全国吟詠剣詩舞コンクール北紋総連盟大会 |
遠軽町福祉センター大ホール |
工藤国邑 |
21日(日) |
9時00分〜18時00分 |
創流25周年岳精流日本吟院全国吟道大会 |
川崎市教育文化会館 |
横山岳精 |
28日(日) |
10時00分〜16時00分 |
春洋流吟詠剣詩舞道大会 |
八王子市民会館 |
石川春洋 |
29日(祭) |
11時00分〜17時00分 |
故初代家元青柳芳枝追悼 青柳流剣舞創流並びに青柳流詩舞家元継承披露 第42回神武館道場発表会 |
神戸文化大ホール |
青柳芳寿朗 |
三月NHK教育テレビ
吟詠放送
「吟詠・春の宴」
●放送日時 三月二十四日(日)
午後三時一〇分〜同二五分
●吟題と出演者
一、和歌・春の苑(大伴家持)
〈吟〉河田神泉
二、三樹の酒亭に遊ぶ(菊池渓琴)
〈吟〉鈴木吟亮
三、山中幽人と対酌す(李 白)
〈吟〉林 鳳俊
四、春夜(蘇 軾)
〈吟〉杉山翔鴻
五、花月吟(藤野君山)
〈吟〉箕輪緑崇
〈吟〉若原峰洲
〈吟〉横山寿城
三月NHKラジオ
FM吟詠放送「邦楽のひととき」
●放送日時 三月二十一日(木)
午前十一時〇〇分〜同三〇分
●再放送三月二十二日(金)
午前 五時二五分〜同五五分
●吟題と出演者
一、和歌・春雨の(凡河内躬恒)
春簾雨窓(頼鴨?)
〈吟〉辻島鑑霊
二、和歌・箱根路を(源実朝)
稲叢懐古(太宰春台)
〈吟〉田邑嘉風
三、山中問答(李 白)
竹里館(王 維)
〈吟〉中澤春誠
四、漢江(杜 牧)
折楊柳(楊巨源)
〈吟〉和田彩楓
五、花を惜しむ(福沢諭吉)
壇の浦を過ぐ(村上仏山)
〈吟〉鈴木永山
六、長安春望(廬 綸)
〈吟〉奥村龍愛