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明日への提言
 
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笹川鎮江
 
作詩家大野恵造先生の生誕百年の昨年、少壮吟士チャリティーリサイタルで先生の最高傑作「兜」が上演されました
 昨年暮れの十六日(日)、近畿地区少壮吟士会の主催による第十六回少壮吟士吟詠チャリティーリサイタルが尼崎総合文化センター「アルカイックホール」で盛大に開催されました。
 私は出席できませんでしたが、プログラムに載せる企画構成吟の「西郷隆盛」の題字やお祝いの言葉を寄せさせていただきました。
 リサイタルのオープニングでは、出演少壮吟士男女二十九名全員によって、大野恵造先生の作られた「兜」が合吟(コーラス入り)されました。この「兜」の吟詠については、かつて、私が少壮吟士の皆さまにお教えした作調で吟じたいとのご相談があり、快諾しておりましたが、音楽も古川太郎先生の編曲でされるなど、ご立派に演じられたとうかがい、たいへん安堵いたしました。
 この「兜」は、私が永年にわたって吟じてきたものです。その吟詠が、昨年十月、財団から発売の「平成十四年度吟剣詩舞道吟詠集」の中に鑑賞吟として収録されましたが、奇しくも昨年は、作詩家大野恵造先生の生誕百年の年であったのでございます。その記念すべき年に、大野恵造先生の最高傑作「兜」が財団吟詠集に収録されたり、少壮吟士吟詠チャリティーリサイタルで上演されたことは、時宜を得た素晴らしいことであったとたいへん喜んでおります。
 また、このたびの少壮吟士リサイタルも財団青少年吟剣詩舞道育成基金協賛公演として開催され、多額のご寄付をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
水六訓
 
一、あちゆる生物に生命力を与えるは水なり。
 
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
 
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
 
一、自から清く他の汚れを洗い精濁併せ容るの糧あるは水なり。
 
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
 
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは、水なり。
 
 水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一








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