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第十六回 少壮吟士吟詠チャリティーリサイタル
青少年吟剣詩舞道育成基金協賛
日時:平成十三年十二月十六日(日)
場所:尼崎総合文化センター「アルカイックホール」
主催:財団法人日本吟剣詩舞振興会近畿地区少壮吟士会
後援:財団法人日本吟剣詩舞振興会財団法人日本吟剣詩舞振興会近畿地区連絡協議会
少壮吟士の名に恥じぬ、素購らしい舞台に感動
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会場玄関に掲げられた笹川鎮江会長筆のタイトル「西郷隆盛」
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矢萩保三・財団事務局長は、青少年吟剣詩舞道育成基金へ寄附された目録を手に、お礼を述べた
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近畿地区少壮吟士会を代表して挨拶する箕輪緑崇氏
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「書懐」(西郷南洲作)を吟じる金戸静華氏、北村嶂泉氏と、これを舞う多田正晃氏など多田正満氏社中の皆さん
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「江戸城明け渡し」(勝海舟作)を吟じる(左から)安福緑玲、山岡翆山、田畑水姫、菅千岳の四氏
 
「少壮吟士愛吟集」から
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高橋摂匠氏
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池田菖黎氏
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松野春秀氏
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白波瀬緑斎氏
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田中祐泉氏
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横山寿城氏
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森下黎華氏
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佐々木一景氏
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増田鵬泉氏
年末恒例の少壮吟士吟詠チャリティーリサイタルが、十二月十六日の日曜日に、尼崎総合文化センター「アルカイックホール」で盛大に開催されました。多くの愛吟家や剣詩舞愛好家が詰めかけ、熱のこもった素晴らしい舞台を満喫することができました。
 
会長の名吟「兜」を少壮吟士全員が熱吟
 次代を担う若き吟剣詩舞道家を育てようと言う趣旨で始められた青少年吟剣詩舞道育成基金は設立五年目を迎え、その趣旨に賛同し協賛したチャリティーリサイタルも、今回で十六回目を迎えることになりました。本年は近畿地区少壮吟士会がその任を受け持つことになり、吟剣詩舞には高い関心のある土地柄だけに、鑑賞する人の舞台に寄せる期待にも大きなものを感じました。
 リサイタルのオープニングを飾ったのは、その期待に応えるかのように、大野恵造先生作詩、笹川鎮江会長作曲・指導による「兜」でした。この「兜」は会長の門外不出とも言える作で、これまで会長以外は吟じられたことがありませんでした。しかし、今回は「ぜひ」にと少壮吟士の面々がお願いをし、会長も快諾なさったために実現した、きわめて珍しくも興味を引く演題のオープニングでした。それだけに少壮吟士も心を込め、会長の素晴らしい「兜」を立派に表現しようと各人が熱吟。開幕から会場は感動の嵐に包まれました。そして、第一部の少壮吟士愛吟集へ移る前に、箕輪緑崇少壮吟士が挨拶に立ち、当日の内容を紹介。つづいて青少年吟剣詩舞道育成基金への寄付金が財団法人日本吟剣詩舞振興会、笹川鎮江会長のご名代である矢萩保三事務局長に贈呈されました。事務局長の挨拶では青少年吟剣詩舞道育成基金のことが話され、さらに「兜」に触れて、今年が大野恵造先生の生誕百周年であり、新しい形で「兜」が発表されたことを高く評価されていました。
 愛子様ご誕生でさらに注目があがった企画構成吟
 少壮吟士愛吟集では、少壮吟士のO Bである高橋摂匠吟士が一番手で吟じ、以下、二十八名の少壮吟士が、その名に恥じない、心技体ともに充実した吟詠を会場いっぱいに響き渡らせていました。さすが少壮吟士、吟界の頂点を成し得たその吟は芸術性豊かであり、感動的で魅力に満ちたものでした。こうした素晴らしい吟詠がある限り、その魅力は失せることなく、後世に引き継がれていくことでしょう。
 第二部は企画構成吟「西郷隆盛」が披露されました。テーマは西郷隆盛が、その生涯を通じて自身の精神的骨格であり、人格理想となった「敬天愛人」を取り上げ、彼の生き様をきめ細かく描いた作品でした。しかも、皇太子様と雅子様の初めてのお子様がご誕生になられたばかりで、新宮様の名が「敬天愛人」から取られた敬宮愛子様と決まったために、企画内容が非常にタイムリーなものとなりました。
 舞台は箕輪緑崇吟士の朗詠「我が胸の」から始まり、全員合吟による「英雄遠く去って再び出でず城山の嶺上月一輪」まで、一瞬たりとも目を離せない吟詠がつづき、訪れた愛吟家の皆さんも、素晴らしい舞台に満足の表情をなさっていました。
 最後に、舞台に少壮吟士全員が並ぶと、会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こり、盛会のうちに第十六回少壮吟士吟詠チャリティーリサイタルは幕を閉じましたが、最後の最後にお楽しみ抽選会もあり、訪れた皆さんは初めから終わりまで楽しい半日を過ごすことができ、吟詠の素晴らしさを心にしまいつつ、家路についたことでしょう。
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「易水送別」(駱賓王作)を吟じる中尾仁泉氏と、これを舞う多田正晃氏。
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リサイタル最後の「お楽しみ抽選会」








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