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吟剣詩舞の若人に聞く   第三十八回
丸山 愛美さん(十一歳)
●岡山県倉敷市在住
(平成十三年度全国剣詩舞コンクール決勝大会詩舞幼年の部優勝)
母・・丸山 裕子さん
師・・松永 華楓さん
宗家・・藤上 南山さん(菊水流剣詩舞道本部)
持ち前の明るさで、晴れの栄冠に輝く。
 平成十三年度全国剣詩舞コンクール決勝大会詩舞幼年の部で優勝した丸山愛美さんを、感激も冷めやらぬ大会直後に、ご家族、師、ご宗家を交えながら、優勝のこと、剣詩舞のことなどをお聞きしました。
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丸山 愛美さん
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結果発表で優勝が分かり、別室でにこやかにインタビューに答える左より師の松永華楓さん、丸山愛美さん、母の丸山裕子さん
 
優勝おめでとうございます
愛美・裕子 「ありがとうございます」
いまのお気持ちはいかがですか?
愛美 「とても嬉しいです」
全国大会は何度目の挑戦ですか?
松永 「二回目です。前回が三位でした」
二回目で優勝はすごいですね?
愛美 「ありがとうございます」
ご宗家のご感想はいかがですか?
藤上 「かわいさだけが取り柄で(笑)、これは大きな財産ですが、技術はまだまだですから、これからも大いにがんばってもらいたいと思います。少年になると、かわいいだけでは通用しなくなりますので。でも、持ち味のかわいさは、いつまでも持ち続けて欲しいと思います」
詩舞を始めたのはいつ頃ですか?
愛美 「七歳のときです」
誰かに薦められたの?
裕子 「私は詩舞をしていませんが(笑)、おばあちゃんと愛美と私で、菊水流の発表会を見に行く機会がありまして、それを見て、この子がやりたいといいましたので、やらせました」
見たら、やりたくなったの?
愛美 「はい、面白そうでしたから」(笑)
剣舞ではなく詩舞というのは?
愛美 「剣舞は刀が長くて抜けないので、詩舞の方が向いていると思ったからです」(大笑)
実際に始めて、思った通り面白かった?
愛美 「はい。それに早く上手になって、トロフィーとかをもらえれば、もっと面白いです」(笑)
指導者として、愛美さんの最初の印象は?
松永 「入った時は小学校一年生で、まだポチャポチャとしたかわいい子供で、目が生き生きと言いますか、舞うと目が輝いていましたね」
愛美さんの特徴というのは何ですか?
松永 「自然に舞えるところでしょう。無理をせず、明るく、かわいく舞えるところはいいですね」
お稽古は大変ですか?
愛美 「いえ、そうでもありません」(笑)
練習していて、苦手な部分はある?
愛美 「最初は「はなくぐり」とか「かなめがえし」とかが苦手でしたが、今はできるようになったので、特にありません」
学校のお友達は知っているの?
愛美 「友達はあまり知りませんが、先生には発表会に来てもらったことがあり、コンクールなどのことは先生に報告しています」
先生は何か言ってくれる?
愛美 「よかったね、これからもがんばってね、と言ってくれます」(笑)
  ◎   ◎
今日の決勝大会は緊張した?
愛美 「とくにドキドキはしませんでした」(笑)
プレッシャーには強いのかな?
裕子 「緊張もプレッシャーも感じませんね。人が多ければ多いほど嬉しいようです。だからコンクールとか発表会は楽しいようです」
松永 「練習の時よりも、本番のほうが強い子です。私とか親のほうがドキドキしています」(笑)
思った通り、力いっぱい踊れた?
愛美 「はい、できました」
どんな点がうまくいったと思う?
愛美 「足がよく引けたし、審査員の顔もよく見られたし、落ち着いてできたから」
審査委員の反応を見ていたの?
愛美 「はい、・・・・・」(大笑)
先生から見られて、今日のできはいかがでしたか?
松永 「今日は無欲で踊っていましたし、丸山の良いところが出ていたので、とても喜んでおります」
コンクールのための特別な指導はなさいましたか?
松永 「そういうことはありませんが、宗家先生と田中(恵山)先生には何度も見ていただき、宗家先生は振りの内容を本人に説明してくださり、感情を出すように注意していただきました。また、腰を落とすようにとか、歩き方にも注意しなさいとか、いろいろなご指導を受けました。田中先生もきめ細やかに見てくださり、本当に感謝しております」
吟題は誰が選ばれたのですか?
松永 「宗家先生と田中先生から、これを踊るようにとご指示がありました。これは詩文の意味が難しく、大人の私でも理解しにくいのですが、例えば少女になるところと太田道灌になるところがありますので、そこがいかに変われるかと思っていましたが、今日は上手に演じてくれました」
結果をおばあ様に報告されましたか?
裕子 「連絡はしたのですが、留守でした」(笑)
お子さんが詩舞をしていることについて、どうですか?
裕子 「自分ができないことをしているので、こちらも一緒になって楽しめ、良かったと思っています」
詩舞以外に何かしていますか?
裕子 「ピアノを少ししていましたが、どうも向いていなかったようで(笑)、今は詩舞だけです。それに昔から盆踊りが好きでして、いろんなところへ行っては踊っていたので、やはり踊りがすきなのでしょうね」(笑)
そんなに踊りが好きなの?
愛美 「大好きです」(笑)
詩舞をしていて良かったことはありますか?
裕子 「いろんな年代の方とお稽古しているので、かわいがってもらったり、また下の子に対しても自分がしてもらったことをしてあげたりするので、良かったと思っています」
今回優勝しましたが、今後の愛美さんには、どのようになって欲しいですか?
松永 「まだ基礎的なことができていないので、初心に帰って、小さな技からひとつづつ丁寧に学ばせたいと思っております」
教えていて、愛美さんの反応はいかがですか?
松永 「お稽古で言ったことを、必ず家で復習しているようです。教えたことはちゃんとできるようになっていますね」
裕子 「先生に一日三回は練習するようにと言われていますので、飛ぶ日もありますが(笑)、よくやっていると思います」
人前で踊るのは恥ずかしくないの?
愛美 「別に、恥ずかしいとは思いません」
お稽古にきているお友達とは話すの?
愛美 「はい話します。踊りのことではコンクールのこととか話したりします」
今日の大会で、うまいなと思った人とかはいる?
愛美 「います。自分より滑らかに踊っているので」
でも、自信はあった?
愛美 「ありました」(笑)
これからの目標はあるの?
愛美 「少年の部の人たちの良いところを見習って、やっていきたいです。プログラムの中でいえば、原歩さんのように、もっともっとうまくなりたいです」
愛美さんへ何か言葉がありましたらお願いします?
松永 「明るく天真爛漫な部分を伸ばしてあげたいし、踊りの面では技が的確にできるように、コツコツとがんばってもらいたいです」
裕子 「子供ががんばるのであれば、協力して、ついていきます」
最後に、愛美さんの決意をお願いします?
愛美 「これからも続けて、いい詩舞ができるようにがんばります」
今日はあわただしい中、インタビューにお答えくださりありがとうございます。優勝、本当におめでとうございました。
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表彰式直後に優勝トロフィーを囲んで。写真左より、母の丸山裕子さん、丸山愛美さん、藤上南山宗家、師の松永華楓さん








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