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平成十三年度少壮吟士並びに同候補夏季吟詠特別研修会
 場所●B&G東京海洋センター二階第五・六会議室
 日時●八月十一日(土)〜十二日(日)
会長のお元気な姿に、研修会はいつになく活発
 去る八月十一日(土)と十二日(日)の二日間にわたり、B&G東京海洋センターにおいて少壮吟士並びに同候補夏季吟詠特別研修会が行なわれました。夏季吟道大学は体調の関係で欠席された笹川鎮江会長も、特別研修会には元気なお姿を見せられ、活気にあふれた研修が展開されました。
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吟詠演習で、演者に助言を与える笹川鎮江会長
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吟剣詩舞憲章の解説をする河田神泉副会長
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吟剣詩舞の向上と指導者の役割について述べる鈴木吟亮専務理事
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剣詩舞道家からの期待について述べる入倉昭星常任理事
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吟道における師のあり方、弟子のあり方について述べる高群華要常任理事
 
真摯に演習と取り組む少壮吟士の面々
 八月十一日(土)午後一時、矢萩保三事務局長が特別研修会について説明したあと、笹川鎮江会長をはじめ役員の方々が紹介され、つづいて少壮吟士候補を出された特別参加の流派代表者二名が紹介され、候補者の人となりを話されました。
 まず演壇に立ったのは、八代光晃子さんを出された八代輝霊さん(淡窓伝光霊流宮崎詩道会会長)で、ご承知の方が多いと思いますが、お二人は親子で、二代にわたって少壮吟士になられるのは、この制度が始まって初のケースとなります。話の中で「本人は、まだ富士山の麓に来たか来ないかの所で、年齢的にも技術的にも未熟でございます。これからもさらに勉強させていただき、吟詠人生に、自分の人生に、力を備えてくれればと思っております」と、これからが本当のスタートであることを強調されておりました。
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舩川利夫講師の指導を熱心に聞く受講生吟士の皆さん
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吟詠演習で重い荷物を持ち、下半身の筋の支えが共鳴にどう影響するかを体験する前山紫峰吟士(右)と舩川講師
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受講者席最前列に並んだ吟詠発声法素案づくりに協力した吟士の皆さん(発言者は北村嶂泉吟士)
 二人目は久保草風さんを出された楠誠風さん(臥風流吟詠会本部会長)が登壇され、「始めて二十八年、皆様のお力でここまで来られましたが、あくまでも前向きにコツコツと努力し、吟剣詩舞道を受け継いだという誇りを胸に、さらに吟詠の向上、人格の陶冶に励んでいただきたいと思います」と、日々これ精進の心がまえを話されていました。
 緊張した面持ちで流派代表者の話を聞いていた二人の少壮吟士候補は、少壮吟士という立場の重さ、責任の大きさを改めて痛感したことでしょう。それもそのはず、これまでは憧れであった少壮吟士候補になり、吟界の中でも実力、人柄ともに最高峰とされる立場になるのですから、緊張しないほうが不思議といえます。これからのお二人のご活躍を、大いに期待したいものです。
 また、財団代表の挨拶では河田神泉副会長が笹川鎮江会長の言葉を代読され、「この研修会は、技術の向上はもとより、吟剣詩舞道憲章の精神を学び、吟詠家としての品位の向上を期待する重要な研修会である」と、研修会の役割を明確に述べ、さらに「初心忘れるべからず、習い始めたころの気持ち、謙虚さを忘れずに」という初心の大切さも説いていました。
 そのあと、河田神泉副会長が「吟剣詩舞道憲章の解説」を、鈴木吟亮専務理事が「吟剣詩舞の向上と指導者の役割」を、入倉昭星常任理事が「剣詩舞道家からの期待」を、最後に高群華要常任理事が「吟道における師のあり方、弟子のあり方」を講演されました。
 少壮吟士一人ひとりが順番に特訓を受ける吟詠演習は、笹川鎮江会長と船川利夫先生が指導にあたり、初日、二日目合わせて延べ九時間余にわたりました。今回は「吟詠発声法テキスト(素案)」づくりに参画した少壮吟士の皆さんが最前列に座り、演者の吟に対して、各自が分担執筆した分野に関しての見解を述べるという、この研修初の取り組みがなされ、これまでになく活発な演習風景となりました。その背景には、より高い吟詠を目指せる指導者を育成しなければならないという船川利夫先生の配慮がありました。もちろん先生ご自身による厳しくも愛情ある指導ぶりは健在で、演習を受けた少壮吟士の額からは汗が滴り落ちていました。
 二日目の閉講式で、笹川鎮江会長が話された「こんな素晴らしい研修を受けることができる少壮吟士の皆さんを、うらやましく思います」という言葉に、この研修会の充実ぶりを窺い知ることができました。








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