第1分科会 「21世紀の精神医療・保健・福祉のあり方を考える」
その1
宮城県仙台保健福祉事務所塩釜総合支所(宮城県塩釜保健所)
母子・障害班 技師 小野寺 恵美子
l.宮城県仙台保健福祉事務所の概要
宮城県は、平成9年度に保健所の統廃合を行い、また平成12年度に保健所と福祉事務所の統合を行い、現在の保健福祉事務所という形になった。
当初は宮城県塩竈市に位置し、田園地帯の広がる黒川地区、仙台市に近く松島湾沿いの塩竈地区、海に面した県南部の亘理・岩沼地区までの13市町村を管轄している。
【福祉】 |
仙台保健福祉事務所(本所) |
13市町村管轄 |
【保健】 |
塩釜総合支所(塩釜保健所) |
13市町村管轄 |
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岩沼支所(塩釜保健所岩沼支所) |
2市2町管轄 |
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黒川支所(塩釜保健所黒川支所) |
3町1村管轄 |
ll.平成14年度の精神保険業務の市町村移管に伴う保健所の取り組み
(1)市町村に移管されるサービス
[1]通院医療費公費負担制度申請受理
[2]精神障害者保健福祉手帳申請受理
(2)市町村の業務に新たに位置づけられたサービス
[1]居宅生活支援事業(グループホーム・ホームヘルプサービス・ショートスティ等)
[2]社会復帰施設や居宅生活支援事業の調整、斡旋(ケアマネジメント事業)
[3]社会復帰に関する相談
そのための宮城県としての取り組み
○保健所担当職員と市町村担当職員の会議、研修
○ケアマネジメント体制整備推進事業
・ケアマネジメント体制整備検討会
・ケアマネジメント従事者研修会
・ケアマネジメント推進研修会(試行的事業)
○訪問介護(ホームヘルプサービス)試行的事業
・訪問介護評価検討委員会
・訪問介護員(ホームヘルパー)講習会
・訪問介護(ホームヘルプサービス)試行的事業
それを受けて、塩釜保健所としての取り組み予定
○引継台帳等の準備
○管内市町村の保健福祉担当者の会議、研修
○市町村業務量算定のための情報提供
○処遇困難事例に関する研修
○こころの相談(精神保健福祉相談)の市町村巡回
○住民への周知、広報
lll.平成14年度からの塩釜保健所の精神保健福祉の施策
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目標 |
対象 |
実際の事業 |
こころの健康促進関係 |
こころの健康が促進される。また、地域住民が、当事者に対する正しい知識を持つ。 |
一般住民
民生委員
健康推進員等 |
啓発普及事業(講話、懇談会等)
家族教室の開催 |
緊急対応・要医療者の対応関係 |
当事者が安全かつ安心して生活が送れる。 |
自傷他害のおそれのある者
要医療保護入院者
未受診者
医療中断者 |
法24条による診察・措置入院・移送関係の業務
医療保護入院・退院届け及び定期症状報告関係の業務
訪問指導
面接・電話相談
こころの相談(精神保健福祉相談) 等 |
社会復帰関係 |
当事者が、地域で自分らしく生活できる。 |
措置入院解除者
主治医・家族・関係機関から依頼のあった者
職親(社会適応訓練事業)対象者
手帳1級の者及び生計同一者 |
訪問指導
面接・電話相談
こころの相談
主治医・関係機関等との連絡調整
職親関係業務(申請手続き、事業所との連絡調整等)
自動車税減免生計同一証明書の発行 |
関係機関・関係者への支援 |
地域の精神保健福祉活動が活発に行える。 |
家族
管内の社会復帰施設(グループホーム、小規模作業所・授産施設)や職親
管内の市町村 |
家族交流会関係業務(家族会の広域的支援)
補助金関係業務
運営指導
交流会・研修 等
事例検討会
市町村担当者会議、研修公費・手帳関係業務支援
スーパーバイズ |
専門的事例関係 |
専門的対応が必要な者が早期に発見され、早期治療に結びつく。 |
思春期・アルコール・薬物(シンナー、覚せい剤等)等の問題のある者や家族等 |
思春期専門相談
アルコール・薬物関連相談
こころの相談
電話・面接相談
専門機関への紹介等 |
関係機関とのネットワーク関係 |
精神保健福祉関係者が、連携をとれるようになる。 |
当事者・家族
医療機関
警察署
管内市町村
精神保健福祉センター
地域子どもセンター(旧児相) |
連絡会議等
事例検討会・研修
関係機関との連絡調整等 |
その2
福島県精神障害者家族会連合会つばさ会事務局
福島県精神保健福祉センター 心理判定員 秋山 直子
福島県のケアマネ関連の取り組み状況
研修について
推進事業について
これからの課題・期待
その3「生活支援センターの活動から…」
帯広生活支援センター
相談員 佐竹 隆嗣
帯広生活支援センターは相談業務、社会資源などの情報発信やドロップインセンターなどを柱として、利用者のニーズをしっかり受け止めて、彼らの生活が少しでも豊かになるようにを基本にすえている。
相談業務では、電話や来所など、様々な形で相談が舞い込んでくる。内容は、日常生活の相談や就労に関することや、社会資源の問い合わせ、日々の愚痴など様々である。その中で、地域で生活している、あるいは生活をしようとする人たちで、幅広いニーズがあり、総合的かつ継続的なサービスが必要と考え本人が希望したときにケア・マネージメントの手法を使いながら援助をしている。あくまでもケア・マネージメントは援助の方法のひとつにすぎない。
ケア・マネージメントとは、複数のニーズを持つ人たちを援助対象とし、そのニーズを満たすために、フォーマルケアサービスが不十分ならインフォーマルなものを、活用して多様なサービスを組み合わせて提供する援助方法である。
今後、利用者が望む生活を支援するために、また、何が地域で不足なのかを知るためにも援助のひとつとして、ケア・マネージメントは必要だと考える。