4 基調講演
「これからの家族会のあり方」 〜家族会の原点に帰ろう〜
全家連相談室長
良田 かおり氏
1.こうして家族会は生まれた
平成13年全国の単位家族会数1643箇所、地域家族会1344、病院家族会299
抗精神病薬の登場症状の改善、退院の実現
・家族の理解と協力が必要となる……学習会の開催……病院家族会
・地域で相談会、悩みを語り合う……懇談会の開催……地域家族会
家族会の原点 「家族が集まって、語り合い、学習する」
2.家族会活動の成果…最近の動き
[1]精神科医療の面で
・相次いで新薬が認可され、発売された。
・精神分裂病という病名を変更する動きが本格化している。
・病気や治療に関する情報が届きやすくなった。家族教室や講演会の開催。
[2]市町村を窓口として、精神保健福祉サービスが行われることになった。
・特にホームヘルプサービスの実施。
[3]家族の負担の軽減化に向かう方向。
[4]小規模授産の法定化
◇上記の最近における一連の変化は、これまでの家族会の働きかけ、当事者の声があったからこそ実現できたもの。
3.変わらぬ家族の状況、思い。<相談室から見えるもの>
[1]病気、障害がよくなってほしい。 病気の解明に対する願いと、治療法の向上への期待。
[2]自立して生活できるようにしたい。 親が亡くても不安のない生活を送ってほしい。
[3]世の中の偏見がなくなってほしい。 自分の中の偏見も含めて克服したい。
◇「隠れた家族」「情報と支えを求めている若い家族」が、家族会を知らない、結びつかない。どのように家族会に結びつけるかが課題であり、活動の要でもある。
4.これからの家族会
A.家族会のあり方について
[1]「家族会のよさ」を見直してみる。<「学習」と「相互支援」から始まった家族会>
1.同じ立場の仲間に出会えるところである。
2.心おきなく話せる、受け入れられる、気持ちが楽になるところである。
3.必要な情報、身近に役に立つ情報があるところ。
4,「隠さない生き方」を学び、実践する場である。
5.生活の中から課題を見つけ、みんなで発言する。
[2]ちょっと点検してみよう
1.毎回の例会で、忌憚なく自由に悩みを語ったり、相談したりできる時間がとれているかどうか。…特に若い家族、新入会の家族には必要。
2.人間関係が、長い間に上下関係や役割の固定で、息苦しくなっていないか。
3.お互いのことが分かりあえ、助け合いができているかどうか。
4.学習活動が会員の満足できる内容になっているかどうか。
[3]こうしてみよう
1.例会の中で、語り合いの時間をとれるように工夫。 (特に新人が参加したとき)
2.会員が自由に意見を言い、反映されるような運営
3.助け合いは家族会の大事な機能。
4.一方的な講演より、専門家に一緒に悩み考えてもらうような学習会も必要。
B.隠れた家族を結びつけるために提案
[1]例会を必ず開催する。
[2]家族相談を、できたら継続的に行う。
[3]家族教室や学習会を開く。出会いと情報提供の場。 そのために
・保健所や市町村と協力関係を作る。
・地域の中に決まった、家族が集まれる場所があると良い。
C.市町村サービスの時代になって
[1]共に学び合う、共に成長する関係を作る。
・向かい合い、話し合い、共に活動することで理解を育てる。
要望するというより話し合う、状況を伝える機会を。
・市町村職員の例会への参加
・連絡協議会の開催
・相談会や講演会の共催など
[2]相談窓口の設置、専門職員の配置、ホームヘルプサービスの提供を確実に、そこから学べるものは多い。
◇担う家族会から参加する家族会への転換
◇同じ家族の支援の強化を