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II章.啓発活動の方法
1.さまざまな啓発活動
1)全国各地で行われている啓発活動
 平成13年、精神障害者社会復帰促進センターで行った「地域における精神保健福祉に関する地域交流・啓発活動の取り組み」調査では、全国の患者本人や家族らが主体となって行う啓発活動、または方針や内容に意見が十分に反映されている啓発活動の調査を行いました。その調査から全国から多数の啓発活動が報告されました。
 活動の中心となるのは、本人や家族の当事者や施設の職員や保健師などの専門職ですが、地域の人に多く協力を呼びかけて、共有意識を高めて行っている傾向があります。中には県を越えて、複数の県合同で啓発活動を行うなど、従来の形にこだわらない新たな啓発活動の形が見られ始めています。
 多くの啓発活動はここ5年以内に立ち上げられており、こういった活動機運の高まりと開催が継続的に定着をすれば、今後国民の意識は徐々に変化していくでしよう。
 
(1)活動のきっかけ
 こうした活動の発端は様々な要素が絡んでいますが、幾つかのカテゴリに分けられます。
 
a.必要性から
施設の設立を巡って反対があった、その他経済的な理由から、仕事がなくて始めたなど必要性からはじめられます。
b.ネットワークによって
精神保健ボランティア講座に参加した人々が修了後に活動を企画したり、地域でネットワークが出来て活動に結びつきます。
c.自然に発生
近所付き合いや、行きつけている店のつながり、突然アイディアが生まれたなどひょんな事から自然に発生をする場合があります。
d.日常業務から
業務が結果として啓発につながる場合もあります。創作活動から展覧会を開く,製品を使ってバザーに結びつく、清掃をする中で自然に啓発が行われるがあります。
e.提案を受けて
参加している人から声があがった、保健師の一言がきっかけになった、趣旨に伴う補助金か確保されたなどがあります。
 
(2)活動の内容
 地域住民との交流や、多機関での連携による働きかけ、イベントによる活動の順で多くなっています。形によっていくつか分類できます。
 
a.暮らしの中の啓発活動
駅での清掃や喫茶店経営をするなど、日常業務の中で住民と交流が行われます。施設の開放によって地域に利用してもらう事でPRする方法も多く見られます。
b.イベント
バザーやフリーマーケット、地元の夏祭りなどです。多くの活動主体は経営的に苦しいところが多く、金銭的に経営面を補うという意味でも、これらは重要な位置を占めます。また指導者の技術を生かしたダンスパーティ等で参加者との交流をする場合もあります。
c.商売として
多く見られるのは喫茶店経営で、他にも自社製品の販売を行う中、商売としての要素をもちながら啓発をしています。
d.地域活動
地域の一員として積極的な地域活動に参加する、防災活動に参加するなど、結果として交流による啓発が行われます。学校との交流もここに含まれます。
 
 様々な内容の活動が全国各地で、地域独自の色を出しながら行われていますが、啓発活動の代表的な手法としては、パンフレット・チラシ・ポスターなどの、広報資料・資料などのツールを用いたものと、当事者や施設と市民の交流によるものに大別されます。次の章ではそれらについて詳しく述べたいと思います。








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