「昨年の小型機販売は伸び悩む」 和泉 久
米国ジェネラル・アビエーション製造者協会(GAMA)は二月十三日、昨年のジェネラル・アビエーション機出荷実績を発表した。
GAMA加盟メーカー五十社が昨年製造した飛行機は、合計二千九百九十九機で、二〇〇〇年の三千百四十機と比べて四・五%の減少となった。
特に製造機数が落ちたのはピストン機で、千七百九十一機となり、前年の千九百六十五機と比べて八・九%減となった。ターボプロップ機(四百二十一機、一・四%増加)とビジネスジェット機(七百八十七機、三・六%増加)は増加した。
一方、売上額は百四十億三千万ドルとなり、四%の増加となった。これはビジネスジェット機等の納入が増えたため。
主な小型機メーカーの生産状況は、次の通り。
●アメリカン・チャンピオン:シタブリア・エクスプローラが順調に販売を伸ばし、一年間で二十一機を販売した。また、スーパーデカメロンも十九機となり、両機を合計すると四十機となる。この他の機種を合計すると五十六機となる。
●アビアット・エアクラフト:S2Cピッツは七機と低調だったが、ハスキーが五十機も売れ、合計五十七機、千五十万ドルを出荷した。
●セスナ・エアクラフト:単発レシプロ機シリーズは、合計八百二十一機を販売、レシプロ機売上の四十六%を占めたが、二〇〇〇年と比べると販売に陰りが見え始めている。一番多く売れたのは、当然、セスナ一七二及び一七二Sスカイホークで、合計四百四十八機を出荷した。次いで、一八二スカイレーン・シリーズが二百三十八機、二〇六ステーションエアが百三十五機だった。単発ターボプロップ機のキャラバンは、合計七十五機を出荷した。一方、サイテーション・ビジネスジェット機シリーズは、合計三百六機を販売、同社の売上に大きく貢献している。特に今年はサイテーション・エクセルが八十五機も売れた。同社の総売上は二十五億四千八百万ドルだった。
●シーラス・デザイン:シーラスSR二〇は五十九機を販売、シーラスS R二二は百二十四機、合計百八十三機、売上は五千百五十七万ドル。
●コマンダ・エアクラフト:コマンダ・シリーズを合計十一機販売した。
●ランセア:新開発のコロンビア三〇〇を合計二十七機、九千万ドルで出荷した。
●モール・エア:スーパーロケットが二十一機、オリオンが十四機出荷、合計五十七機を販売。
●ムーニー・エアクラフト:ムーニーはオバテーションが十六機出荷したほか、他モデルを合わせて二十九機出荷、売上は千百六十八万ドル。
●ピアジオ:イタリアで開発された斬新な双発ターボプロップ機アバンティを合計十二機販売。
●ピラタス:単発ターボプロップ機のPC一二を合計七十機出荷した。同機は与圧キャビンを持った実用機。売上も二億二千万ドルまで伸びた。
●レイセオン・エアクラフト:単発機のビーチ・ボナンザ・シリーズが合計八十九機、双発ピストン機のビーチ・パロンが四十七機、双発ターボプロップ機のビーチ・キングエアが百十九機を販売した。ビジネスジェット機(ビーチジェットとホーカー八○○)等を含めると、合計三百六十四機を総額十四億四千万ドルで販売した。
●ソカタ:単発ピストン機のTB二〇を三十三機販売した他、合計六十三機を出荷した。また、単発ターボプロップ機のT BM七〇〇を三十三機出荷し、合計九十六機、八億八千万ドルを販売。
●ニュー・パイパー・エアクラフト:アーチャーを八十八機、ウォーリァを三十二機、アローを二十三機、サラトガ・シリーズを九十機出荷した。また、単発与圧ターボプロップ機のメリディアンが九十八機、単発与圧機のマリブ・ミラージュが十機、双発機のセミノールが六十二機、セネカが三十八機を出荷した。総出荷機数は四百四十一機で、二億四千万ドルを販売した。