「HANGAR FLYING」
レーシングフォト・クラブ 永井 幸雄
遅まきながらインターネットを始めた。もっともパソコンを使って以前から原稿を書いたり、DTP(パソコンでの編集作業)などはやっていた。つまりオフラインでの作業を電話線に接続させたオンラインとしたわけだ。
なぜ今までやらなかったのかというと、オンラインの機能での代表的なEメールを、単にパソコンと言う電子回路の箱を使ったFAXの送受信と考えていたのと、チャットという「パソコン上のお喋り」というのが、好きになれなかったからだ。
要するにキング・オブ・ホビーと言われているアマチュア無線。あれを楽しんでいる人たちの会話を聞くと、故大平総理大臣ではないけれど「あー、うー・・」だの、妙に延ばした接頭語や独特なイントネーションでの言い回しなどが、どうにも気になったりもしてたので、さらに音声でのやり取りは無いものの、その代わりに例の丸カッコや句読点、感嘆符など、つまり紙面で再現できるかどうかの次のような記号で(^_^)のような笑顔のようなマークや絵文字など、最近のパソコンでは会話体の文字作成をすると、ちゃんとこれに対応して変換までしてくれる。ちょっとひがんでしまうが、僕のパソコンは型が古いから付いてはいないけれど。
つまるところそんな状況があったからと言うわけだ。
やってみたら、実に便利である。これまでだったら、この原稿をパソコン上で書き上げたらそこで一度プリント・アウトをして、それをおもむろにFAXにセットし、ピッポッパッと送るわけだが、印字の状態が悪かったり、紙の動きが悪かったりと、変な条件が重なり合うと結局は電話でもう一度遣り取りを交わしてOKとなる。
これがEメールだと、書き上げた物を一旦ファイルして、次に送信作業をすると、いとも簡単に、しかも一瞬のうちに送れてしまう。メール・アドレスを間違えていなければ、送れたかどうかな?などの心配はいらない。またゆったりとしたFA X送信速度は電話料金も掛かるが、Eメールならば相当の大容量を送ったり2、3箇所へ同時に送ったとしても、1通話程度で済んでしまう。例え海外に送ったとしてもだ。
しかしながら通信費は高い。携帯電話のおかげといっては変だけれども、便利だから携帯を持つ羽目になるし、もちろん自宅の電話もあるし、さらにメールだ。便利と言うことは、コストも掛かってくると言うことなのだろうが、少々の割り切れなさも感じる。
また経費がかかる割にはどうしてもインターネットになじめないのは、なぜこんなにも「出会い系サイト」やゲーム関連がその主流を占めているのだろうか。これを眺めていると、折角の“最新道具”ただ遊びの道具としてだけで、正しく使っていないというか、宝の持ち腐れではないのかなどと思ってしまうのは、中途半端な年寄りになってしまったからなのかな・・。通信費を下げる努力は必要で、下げたことで増益になったようなのは航空3社だろうか。
話を強引に航空へと変えてしまったが、3社共にいろいろな割引プランを打ち出したので、国内の航空旅客はテロ前の水準に近づいたようだ。だが海外路線、特にアメリカヘの旅客数は、未だに低水準だと言う。運航会社にとって深刻だろうけれど、春先から秋口にかけて必ずアメリカへ行く僕にとっては、できればあまりに乗る人が増えることなく、ジャンボのエコノミーの中央4列を全部占領して寝ころんで行けるのが嬉しいことで、安い運賃が楽しく旅行ができるのは、皮肉な結果といえようか。
ただあのテロ直後に訪れたサンフランシスコは、閑古鳥が鳴いているようで、美しく彩られた街が一層の寂しさを感じさせた。やはり観光地にはそれなりに人出が必要なのだろう。